DJ, Techno Music Production, Manga, Illustration & Web Design
www.epxstudio.com

トップ > ブログ > frotline(ログ) > 個別の記事

« 本日、茶箱でバーDJ | メイン | 茶箱、壁DJ »

[ 日記 ]

DJ KOJIくんのこと

9月3日、DJ/トラックメーカーのDJ KOJIくんが亡くなりました。
彼は大学のサークルVINYLHOUSEの仲間で、普段私達は本名で呼んでいましたが、ここでは彼のDJとしての活動に敬意を表し、以下、DJネームで表記することにします。

水曜日、バータイム茶箱でのDJの最中に一報を受け、翌日、通夜に行ってきました。
いつもハッピーな記憶しか共有したことのないビニハの面々と、あんなに悲しい席で一緒になるとは思わなかったので、ほとんど現実感がなかった。式の最中だけが猛烈な雷雨で、終わったらウソみたいに止んでいたということも、一因かもしれない。

KOJIくんは、私がほとんど初めて見た「ドラムンベースのDJ」で、当時から鋭いカットインを多用した、つなぎが分からないほどのテクニックを持っていました。間もなくしてスクラッチを練習していると聞き、それも短期間のうちにマスターしてしまったようで、すごく驚いたことを覚えてます(サークルにスクラッチ系のDJはいなかったし)。

その後はドラムン、ブレイクビーツ、ヒップホップを横断するスタイルで、様々なパーティーに出演していました。私は、学内で行われるゲリラ祭と白門祭では毎回のように共演し、学外でもサークル関連のパーティーで一緒になりました。最近のものは、去年2月の10周年パーティーで、これは動画も残っています。

過去のイベントのムービー | VINYLHOUSE.archives
http://www.epxstudio.com/vha/movie/index.html

DJに加え、ここ数年でトラックメイキングを始めて、前述の10周年パーティーのときのコンピにも曲を提供したり、Myspaceにもアップしているようでした。一方、ヘビーシックゼロで自分のパーティーを主宰し、今年の夏には初の野外レイヴをオーガナイズしたばかりでした。

「なんで?」、という思いがどうしても拭えません。

私が知る限り、KOJIくんは、いつも穏やかに笑っている人でした。他の人のいいところを見つけるのが上手かった。私も会うたび、やたら褒められて恐縮した覚えがあります。学年は私より下だったけど、年は一コ上だったんだよね。そういう意味では、ヘンな上下関係もなく、自分としてはあくまで「仲間」という感じがしています。

ただ、興味のあるジャンルが比較的離れていたため、お互いの出演するパーティーに行き来することはありませんでした。とりわけ私が「聴きたい音しか聴きたくない」性分のために、積極的に立ち回ることができなかったことは、後悔といえば後悔です。最近はほとんど会う機会もなくて、去年の白門祭(学祭)イベント以来、今年に入ってからは一度も会っていませんでした。が、ことあるごとに精力的に活動されているという話は聞いていました。相変わらずDJが素晴らしいということも。

私は、どうしてもberlinくんのことを思い出します。
4年前の6月、彼もまた自ら生きることをやめてしまいました。
以下は当時のテキストですが、今もまだ私の考え方とか生き方に大きく作用している出来事ですので、読んでいない方は(無理には薦めませんが)一読をどうぞ。

berlinくんのこと
http://www.epxstudio.com/log/2004_07.html#log1241

私は、挫折こそ数あれど、死にたいと思ったことは28年間一度もありません。基本、メンタルが極端に落ちた経験もありません。その意味で私は、いわゆる心の病を負った人に対して最も鈍感な類の人間であり、彼らがもし共感を求めていたとしたら、私ほど頼ってはいけない人はいないと思います。これは、つくづくそう思います。

しかし、それはそれとしても、精神的に「落ちている」人をサポートするのは簡単ではないと感じています。小説や映画には終わりがあるけれど、実際は「結」のあとに何度も「転」がある。周りの人は、信じては裏切られてを繰り返し、結果、裏切られる形で終わることもある。これは一般論として、衣食住足りていて、家族や友人に恵まれていてさえ、「そういう結論」を下してしまう人はいるわけです。

理不尽というか、他人にとっては不可解としか言いようがないけれど、その人の中において筋が通った結論だとしたら、それも含めて受け入れるべきなのかもしれない、と、今は考えています。もちろん、言うほど簡単なことではありませんが…。

私は自分以外の誰の人生にも責任を負えないし、負いたくないので、今まさに人生を降りようとしている人に対して、易々と「生きろ」とは言えません。
なので言いますが、どうか、「死なないでください」。
その人のためを思って言うのではなく、私自身の希望として、これ以上こんな経験はしたくないと思います。だから、死なないでください。
共感こそできませんが、話を聞くくらいで良ければ、いくらでもできるつもりです。

DJ KOJIくんのことは、私なんかよりももっと近しい人がいるはずなので、いずれ彼のDJとしての足跡が、より詳しいアーカイブとして残されることを期待して、このテキストは以上としたいと思います。
(この件については特にコメントを求めませんので、コメント欄は閉じておきます。)

KOJIくん、お疲れさま。ありがとう。

Author:
R-9 (EPX studio)

プロフィールを見る

この記事は、既に更新を停止している旧ブログ"frontline"の過去ログです。
現行のブログへはトップページから。

月別の記事一覧

2006年以前の過去ログ

ページトップに戻る