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2008年09月10日
[ テクノ ]
Beatportで買ったハードテクノ
カートに溜まっていた25曲をチェックアウトしたので、覚え書きを兼ねてレビューします。
ここ数年、スカスカのミニマルばっかり持てはやされて、なんだかなって人も多いかも知れないけど、探せばちゃんと各地にシーンがあって、若手が骨太のハードテクノ作ってるんだってことが分かってきた。今回買ったのは、大半が去年と今年にリリースされたもの。かつての大物がやらなくなった今だからこそ、地方の草の根アーティストを探して支援したり、コミュニティに積極的に参加していくのが面白いのかもしれないなぁ。
ほんとはBeatport側にそういうコミュニティ要素があれば、もっと流れを加速していけると思うんだけど、今はまだブログにちまちま感想書くくらいでしか貢献できないっす。このあたりはフミアキさんも言及されていますが。
というわけで、いささか長いですがどうぞ。
- Hybrid Players /Move Your Body [Tech Art]
- クロアチアのハードテクノレーベルTech Artから、ここ2年くらい鬼のように仕事してるWehbbaの変名。後からいろいろ出てくるけど、ハードテクノは今クロアチアが超熱い。これはタイトル通りの声ネタを使ったストレートにアッパーなトラック。派手なのにメロディー感が全然ないのがいい。
- Pratap /Maraka (Vortechtral Remix) [Tech Art]
- 同じレーベルから、スウェーデンのPratapの曲をUKのVortechtralがリミックス。オリジナルも最高だけど、これは得意なレイヴィーなシンセを前面に出してて、かなり中毒性あり。ジュリアナ系!
- Hybrid Players /Tech The House (Art Alec's Funkytech Remix) [Tech Art]
- 同じくTech Artから。クロアチアのテクノ系フォーラムでリミックスコンペをやって、採用されたのがこれらしい。やばいんだけど!Art Alecはスウェーデンのアーティストで、まだ2曲しかリリースしてないけど、すごく才能を感じる。この崩し方はマネしようと思ってもできないなぁ。
- Dual Freaks /Lingontrollet (Art Alec Remix) [Raucocue]
- というわけでArt Alecのもう一曲の方で、これもリミックス。スウェーデンのレーベルらしいけど詳細不明。他はテックハウスなのに、これだけハードテクノだった。やっぱり崩し方が上手い!Glenn Wilsonとか系の暗さだけど、跳ねてる。SlobodanことStaffan Ehrlinって昔こんな感じの個性持ってたのになー。
- Axel Karakasis /Warm It Up [Techment]
- Vortechtralの主宰するUKのTechmentから、ギリシャのハードテクノ王Karakasis。あんまりベースがブリブリしてるようなのは(好きだけど)自分には合わないので敬遠してた。これは真っ直ぐな感じでいい。エッジが鋭くて、SEがピュンピュンしてる。ほんと昔のBaileyみたい。
- Ian Void /Version 2 (Martyn Hare Remix) [Techment]
- 引き続きTechment。Martyn Hareは、Umekがやらなくなったような毒々しいシンセをよく使うのが好きで買ってきたけど、これはやばい!まんま初期のConsumer Recreation。低音域もギッシリ詰まっていて大好物です。リリースが去年の暮れとは思えない音。
- Gabriel Miller & Deeroy /Sex Machine (Vortechtral Remix) [Techment]
- またTechmentで、Vortechtralのリミックス。アシッドかつレイヴィーなシンセが上下するアッパーなトラック。ハードダンス系のギラギラした派手さながら、やらしい長いブレイクがないので、意外と使うかもしれない。
- Vortechtral /House Of Ho's [Techment]
- もう一曲Techmentからで、今度はオリジナル。レイヴ系シンセリードの代わりに、ファンキーな揺れてるエレピが頑張ってて、ちょっと面白い。声ネタとフィルター展開で飽きさせない。後半からは、裏を打ってるだけだったベースがどんどん唸ってくる。
- Cycle Six /Revival [Fly Life]
- AdultとかRelatives系列のオランダのレーベル。2006年からデジタルリリース専門になったらしい。Cycle Sixはボスニア・ヘルツェゴビナのアーティストらしいけど詳細不明。この曲は、ハイハットのキレといい上モノの抜き差しといい、基本に忠実かつハイクオリティで文句なしです。コンプの効きが絶妙。これは買い。
- Aitor Ronda /Bolaian Buyaka (Reaky Remix) [Drakos]
- スペインのハードテクノレーベルDrakosから、スロヴェニアのReakyによるリミックス。01年くらいにいっぱいあったようなトライバル声ネタハードテクノ。刻んでループを作っていて、元ネタのわりには控えめな展開。そこがいい。
- Rowlanz & Selco /Restless [Mastertraxx]
- Mike Humphriesのレーベルらしいです。知らなかった。Rowlanzっていうのもまだリリースが少なくてよく分からない。けど、試聴したら反射的にBuyボタン押しちゃう系。繋ぎにめちゃくちゃ使い勝手良さそうなハードテクノ。
- Balthaar & Jackrock /Rockin' Dancefloor (Cave Remix) [TechHead]
- ギリシャのレーベル。これ前RebootかPresenceか(すごい2択)で聴いたような気がする。この上モノはズルイなー。イヤでもあがる。パーカッションはCaveクオリティーなので安心です。少し潰しすぎかも。
- A.Paul /Math (Horacio Cruz Remix) [Naked Lunch]
- このリミキサーも知らなかったけど、スペインはグラナダ在住の若手らしい。Ben Simsとかの往年の硬めのハードミニマルファンは確実に買い。リリースは07年末で、まだこんな曲を作ってくれる人がいることに感激です。完全ツール。
- Bob D. /Tomtek (Darkrow Remix) [Triple]
- ここから、個人的に注目しているスペインのアーティスト、Darkrowが続きます。主宰しているTriple Recordingsから、リミックスを一曲。変則キックに乗っかる明るめのシンセが、ブレイクを挟んでダークなリフに入れ替わる、ユニークな曲。こういうアイデア好き!
- Darkrow /Casualidad [Naked Lunch]
- Beatportでテクノ聴くならマストのレーベル、Naked Lunchから。明るくも暗くもない、骨太のハードトラック。キックの抜けが良くて使いやすそう。飛び交うようなベル系の上モノが雰囲気出してていいです。やりすぎない程度に展開あり。
- Darkrow /Art Of Shell [Adult]
- 流行に左右されない硬派なハードテクノを出し続けているオランダのAdult Recordsから、デジタルオンリー扱いでのリリース。08年1月。Darkrowらしいストレートなテクノ。展開も常道で、目立った上モノもないけど、これだけ良質だと逆に買わない理由がない。
- Miche & Mirzinho /Erbium [Adult]
- クロアチアの若手デュオ、Miche & Mirzinhoによる08年の作品。問答無用でファンキーな覚醒系シンセが引っ張るアッパーなトラック。完成度高い!微妙に裏をかいてくるようなシーケンスの組み方がたまらない。で、ミルジーニョは前述のTech Art Recordsのオーナーらしい。クロアチアすげぇ。
- Pratap /ECT [Relatives]
- Adultのサブレーベル、Relativesの5番。スウィング感ゼロの、淡々とキックを刻んでいくカッチリしたテクノ。ブレイクから徐々に上がっていくけど、それ以上はいかない感じ。中域が持ち上がったシンセベースと、高音のシャキシャキ感が対照的。硬派!
- Lumor /Nightly Encounters (Pratap Remix) [Keep On Techno]
- Keep On Technoはクロアチアの新興テクノレーベルで、4月から異常なペースでリリースし続け、既に12番まで出ている。クロアチアおかしい。といいつつ、この曲は、スウェーデンのLumorのトラックを同郷のPratapがリミックスしたもの。キックが所々でダダッ、ダダッと前のめり気味になってスピード感ある。あとこのコード進行、Steve RachmadのSinosphereと頭の中でごっちゃになる。混ぜたい!
- Ummet Ozcan /Natural Waves [Work Hard Play Hard]
- Adult、Relatives、Fly Life系列のオランダのレーベルらしいです。前述のFly Lifeと同時期にデジタルリリース専門のレーベルになってる。Ummet OzcanはAdultに拾われたオランダの若手だそうですが、この曲は超やばい!今回買った中で一番好きかも。とりあえず聴いてください。突然出てくるジュリアナばりのレトロなシンセリフが、ブレイク限りでズバッと終わって、ハードミニマルな展開に突入する流れがかっこ良すぎる。こんなのフロアで聴いたら頭おかしくなる。
- David Moleon /Party [Soul Access]
- またしてもクロアチア系のレーベルSoul Accessから、スペインのDavid Moleon。ValeraとかBandoが確立したスペインハード路線を正統進化させたような音で、聴けば納得。やたら音数が多いパーカッションの上をシンセが走ってる感じです。タイトルそのまま、ブレイクが超派手なお祭りトラック。チアホーンとか鳴ってるし。
- Max Walder /Samba Del Costa [Lupp]
- これだけだいぶ古くて、2002年の曲。一時期Tiestoのリミックスで売れた人らしいけど、全然聞いたことなかった。この曲はタイトルの通り、ラテントライバルっぽい声ネタとパーカッションを使ってはいるものの、発振音っぽいシンセがやけに目立ってて気持ちいい。全体的にはややこもりがちのミックス。
- Ben Long /Long Love [Techsound]
- Ben Longはこういうオールドスクールなレイヴサウンド好きだなぁ。Potentialの最初のほうはそんなイメージじゃなかったのに。このタイトルちょっと笑うんだけど、女性Voを徹底的に刻んだ頭悪いブレイクでもっと笑う。あとはシュランツっぽいキックの潰し方がハマれば買うしか。それにしてもたった一年前の曲とは思えない。
- Cave /Speleon [Spilo]
- 本人のレーベル1番からですが、ここは全曲デジタル化されてて素晴らしいです。Cave節のパーカッシブなハードトライバルで、中盤のブレイクでピッチが落ちてまた上がっていくというネタトラック。
- Joris Voorn /Incident [SINO]
- 持ってなかったので!
コメント
最高ですよね!
beatportも、カード以外の決済方法(プリペイドとか)があればもうちょっと広がると思うんですけどねぇ
投稿者: R-9 | 2008年09月11日 00:06
A.Paul /Math (Horacio Cruz Remix) [Naked Lunch]
素晴らしすぎますね…
beatport用にカードを作るフラグですかこれは
投稿者: 774Muzik aka AQUA | 2008年09月10日 23:49