2007年07月31日
[ テクノ ]
repetitive beatsだいすき
代々木公園のcompact Air、行くつもりだったのだけど、雨でほぼないと踏んで自宅作業に振り替えてしまった。。あとから、あちこちで良かったというレポートを見て後悔。考えてみれば野外のフリーパーティーで多少の雨なんかつきものなんだから、ほんと行けばよかった。すみません。
で、ここうさんのレポ見ててふと気になった。
わっとくんが、変じゃない外国人に声かけられていて、「なんて話をしていたの?」って聞いたら、イギリスではミニマルみたいな「反復する音楽」を鳴らして人を集めることが禁止されているとか。
http://extend.ore.to/index.php?e=497
これ、聞き覚えあるなと思ったけどよく知らなかったので、少し調べてみました。
問題になっている法律は、英国議会法(でいいのかな?)で94年に制定された"Criminal Justice and Public Order Act"で、"Powers in relation to raves"という章のなかで次のように書かれています(第63項)。
This section applies to a gathering on land in the open air of 100 or more persons (whether or not trespassers) at which amplified music is played during the night (with or without intermissions) and is such as, by reason of its loudness and duration and the time at which it is played, is likely to cause serious distress to the inhabitants of the locality; and for this purpose―(以下略)
http://www.opsi.gov.uk/acts/acts1994/Ukpga_19940033_en_6.htm#mdiv63
「野外で」「100人以上で」「夜通し」「アンプを通した音楽」をかけることに対して言及しています。また補足として、その「音楽」とは次のようなものだと言っています。
"music" includes sounds wholly or predominantly characterised by the emission of a succession of repetitive beats
つまり「全てもしくは主な部分が反復するビートの連続によって特徴づけられる」音楽ってわけですが、、まあこれってテクノですよね。で、テクノの人も黙っていたわけではなくて、AutechreがWarpから"Anti EP"というシングルを出してて(94年)、この盤面に書いてあることが嫌味っぽくておもしろい。
Warning. Lost and Djarum contain repetitive beats.
We advise you not to play these tracks if the Criminal Justice Bill becomes law. Flutter has been programmed in such a way that no bars contain identical beats and can therefore be played at both forty five and thirty three revolutions under the proposed new law. However we advise DJs to have a lawyer and musicologist present at all times to confirm the non repetitive nature of the music in the event of police harrasment.
http://www.discogs.com/release/158
警告、「Lost」と「Djarum」という楽曲は反復するビートを含んでいる。件の法案(当時)が法になった場合、これらのトラックを再生しないように。「Flutter」はそのような反復するビートを含んでいないため新法の下でも再生できる。ただしその際もDJは法律家や音楽評論家の意見を聞くように云々。(そもそも、このリリースがdiscogsのIDで158番目に登録されているってだけで、意味合いが見えてきそうだ。)
とか、Orbitalが出した"Are We Here?"(同じ94年)には、Criminal Justice Billと題したミックスがあって、それは4分間まったくの無音なのだとか。なるほど。このあたりの流れは例によってWikipediaにまとめられています。
Criminal Justice and Public Order Act 1994 - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Criminal_Justice_and_Public_Order_Act_1994
日本語の文献もあるかな?私がフォローするまでもなく、レイヴ関係の資料を集めれば色々出てきそうだけれど。
で、実はこの法律、03年に改定されてました。それが"Anti-social Behaviour Act"。初めて制定されてから9年、どこが変わったかというと…
Anti-social Behaviour Act 2003
http://www.opsi.gov.uk/acts/acts2003/30038--h.htm#58
「野外で」が削除、「100人以上で」が「20人以上で」、と細かいとこまでは見てませんが、要するに…厳しくなってます。そういう状況で、どういうわけだか日本にやってきて、たまたま通りかかかった公園でレイヴやってたら、それは話しかけずにはいられないかも。
なにはともあれ、とりあえず現時点ではまだレイヴが合法の日本。どこかの誰かが「日本人でよかった」と言ったとか言わないとか。ちなみに、同じ日の選挙はだるいので行かなかった。選挙権を行使しない私を大人目線でやさしく諭すの禁止。トビーさんが立候補するなら行くけどさあー。
コメント
うわ、細かい解説(訳つきで)ありがとう!!!英語できないので、こういうのってありがたいです。イギリスは相当厳しいのね。。。
投稿者: ここう | 2007年07月31日 22:20
どうもです。私も知らなかったので勉強なりました。
さらにSLNのunplugくんに、Twitter経由でこの本に詳しくまとまってたとの情報をいただきました。
投稿者: R-9 | 2007年07月31日 23:22
Orbitalの件について、日本語版Wikipediaに記事がありました。
投稿者: R-9 | 2007年07月31日 18:16