Google Cardboardを試す
昨日、Google Cardboardの多言語対応がニュースになっていて(スマホでお手軽VRを実現する「Google Cardboard」が日本語を含む39言語に対応 -INTERNET Watch)、そういえばちょっと興味があるんだったと思い出して。Amazonで検索したら、Google規格の簡易ビューアーが国内でも安価で購入できることを知り、速攻でオーダーしました。ハコスコ製の税込1,000円のものです。ニュース効果か、20個近くあった在庫が夜にはなくなっており、現時点では在庫切れのままの模様。
で、今日届きました。
こんなような状態で届いて、パカッと開けて裏返して、既に付いているマジックテープをペタッとすればもう完成です。私は手持ちのスマートフォンがNexus 6なのですが、対応しています。2015年5月のGoogle I/Oで発表された規格(Ver.2)のモデルでは対応しているみたい。
磁石のスイッチもついています。これは現物を見るまで仕組みが謎だったのですが、要は簡単なことで、右面上部のボタン状のフリップを押し込むと、連動して磁石がスマートフォンの背面中央に接近して、端末の磁気センサーが反応するというものでした。端末をセットすると画面がタッチできなくなるので、そのための簡易的な入力装置ですね。
試してみると、「わー、まるでその世界に入ったみたい!」的な驚きはそんなになくて、まあなるほど…という感じです。それは解像度だったり、フレームレートだったり、それより何より視界の狭さだと思うんだけど、現状では、こういうこともできますよみたいな技術デモだなあと。これがVRだと言われてしまうと、うーんという。
ただ、そのへんを大きく差っ引いたうえで、とってもおもしろいです。特にCardboardアプリはよくできていて、すぐに体験できるデモがスマートに陳列されている。陳列というのは文字通りで、装着して前を見るとずらっとアイコンが並んでいるんですね。で、顔の動きに合わせてポインタが連動して、磁気ボタン押し込みで「実行」。端末が縦になるように顔を傾けると「戻る」。振動によるフィードバックもあり、なかなかいい印象。
意外に楽しめるのがマイ動画。横と背後に散らばっているサムネイルから選択すると、前面のスクリーンに大きく動画が表示されます。けっこう臨場感があって、出先で撮りためた動画を見るだけでも、小さい画面でみるときと印象が変わる。あと、PhotoSphereによる360°パノラマ写真とかも。
色々試してみて区別しなきゃいけないなと思ったのは、360°パノラマの表示と、3D立体視は別だということです。例えば、YouTubeにはGoogle公式の#360Videoというチャンネルがあって、Cardboardに対応している動画をざっと探せるのだけど、ここは基本はストリートビューのカメラで撮ったような全天周動画で、立体視というわけではないのです。
一方で、立体視に対応しているコンテンツはそれなりに没入感が得られます。Tuscany Diveというデモでは、歩き回りながら庭や家を探索するというだけにも関わらず、妙にリアルな疑似体験が新鮮でした。
あと一応、Portal 2を3D立体視化してCardboardで見てみる、というのも試してみました。これは若干手順がややこしくて、概略だけ書いておくと、AndroidにはTrinusVRを、PCにはTrinusVRのサーバーソフトとTriDef 3Dをインストールし、それとTriDef 3Dからゲームをウィンドウモードで起動できるようレジストリを変更する(TriDef-3D-Ignore-Requires-Fullscreen.regなどの)用意が必要でした。TrinusVRというのが、PCから端末へ映像をストリーミングするソフトウェアなのですが、フルスクリーンには対応していないためです。
試してみた結果、確かに、3D空間になったPortal 2の世界を自由歩き回れる!…のだけど、やはり視界が狭いせいかCardboardではいまひとつでした。そして酔いそう。
なんにせよ、気になっていたのでこの機会に試すことができて良かったです。
私はVRには(かなり)期待をしていて、それはOculus Touchの発表なんかを見て、物理肉体を超えたSF的な何かへと安易にイメージが飛躍してしまうからなんだけど、それはそれとしても。ゲームなんかにしても、もはやグラフィックがいくら美しくなってもハードに魅力は感じないけれど、VRはひとつ壁を超える可能性があると思っています。世の中的には、3D(3Dテレビや、ニンテンドー3DSの3Dに特化したコンテンツ)がいまいちウケなかったこともあり、一過性のブームで終わらせてしまうことに警戒感があるような気がします。
Cardboardに関しては、今回の多言語対応などによって、これからもう少しおもしろいコンテンツが出ることを期待して。また何か気づいたことがあれば、別の記事で書くかもしれません。
Google Cardboard – Google
https://www.google.com/get/cardboard/