『キングスマン』を観た
21日、立川シネマシティで映画『キングスマン(Kingsman: The Secret Service)』を鑑賞。敢えてココでってことは、つまりは「極上爆音上映」です。せっかくシネマシティズン会員になったことだし、機会があれば爆音に向いてそうな作品はココで観たい。
そもそもこの作品はまったくのノーマークで、ニンジャヘッズ界隈で、それも『マッドマックスFR』がウケていた周辺で話題になっていたのがきっかけでした。曰く、マックスが狂気の皮を被った誠実な映画なら、キングスマンは紳士のふりをした狂気の映画だと。で、観てみて思ったのは、なるほど確かにそういう一面はあると。
本作は、国際的な地下スパイ組織が悪を打ち倒すヒーローものの構図でありながら、そこに紛れ込んでしまった不良少年がまったく正反対の「英国紳士」になりきるまでの成長物語でもあって、同時に、イギリス人流のブラックユーモアをふんだんに散りばめた、丁寧で長大なコント作品でもありました。
中盤を過ぎて、物語の大筋と着地点が見えてきたあたりまでは、なるほどこういう感じねという雰囲気で、7割くらいの満足度で進んでいくのですが…クライマックスのとあるシーンで、これが一気にメーターを振り切りまして。あれですよ、欽ちゃんの仮装大賞なら、合格点行かないあたりまでゆっくり積み上げてたのが、その瞬間にピューンって20点までカンストしてしまう感じ。あそこは、音楽も相まって最高にナンセンスでかっこよくて、いやーそうかこれがやりたかったのか!と思いました。私としては、あのシーンで完全に元は取った。
執拗なアメリカいじりが面白くて、リベラルも右派も外野の視点から徹底的にコケにされている。後姿しか映らないけど、ガッツリ洗脳されているオバマにも笑いました。あとスウェーデン王室は大丈夫なのかこれ。事前に許可…なんて取りに行くわけないよねえ、さすがに寛大だなあ…。
そのほかの小ネタも細かい伏線の回収が見事で、さんざん散らしておいて、それぞれをベストのタイミングで拾っていくあたり、よくできています。サービス精神だよ。とにかく「英国紳士」という定型フォーマットが際立つようにという意図なのか、紳士とヤンキー、強者と弱者、老人と若者、左派と右派などいろいろな対比要素を突っ込んできて、それらがぶつかりあって鮮やかに炸裂する、というような映画でした。そう、花火のように…!
映画『キングスマン』オフィシャルサイト
http://kingsman-movie.jp/