Roland AIRA MX-1
AIRAシリーズの新ハードウェアは、ライブパフォーマンスに特化したミキサーでした。
Roland MX-1 | Mix Performer
http://www.roland.co.jp/products/mx-1/
細かい仕様はまだそれほど明らかになっていない部分もありますが、個人的に、まさにこういうものを待っていました。以前Alesisのミキサーで失敗した話は記事に書いた通りで(Alesis MultiMix 8 USB 2.0 FXが残念だった話 | EPX studio blog)、以来、ライブはTAPCOの6chアナログミキサーでどうにか代用していました。ガジェットやモジュール型シンセの多い昨今、こういう用途でのミキサーの需要は一定数あるはずで、それこそKorgあたりが作ってくれるのではとは思っていましたが。
とにかくTR-8のフェーダーが良いので、この感触のままミキサーになるならベストです。でいて、チャンネルごとのミュートやヘッドフォンによるキューイングもできて、みたいな。AIRAどうしの接続は専用のUSBポートが4チャンネルあって(AIRA LINK)、オーディオもMIDI情報もやりとりできるほか、TB-3はバスパワーでも動くそうです。ってことは、TB-3はオーディオ、MIDIケーブルどころかACアダプターも要らなくなる…!
PCとUSB接続すると、18チャンネルIN/OUTのオーディオインターフェースとして機能するそうで、これで好きなDAWでマルチトラック・レコーディングができそうです。さらにMX-1側のモードを切り替えることで(EXTERNAL MIXING MODE)、DAW側の各チャンネルをMX-1でコントロールしたりエフェクトをかけたりできるみたい。
特徴的なのがエフェクター用の16ステップシーケンサーなんですけども、これどうなんでしょうね。というのは、TR-8でもステップごとにディレイ/リバーブがかけられるようになっているんだけど、これすごく使いどころが難しくてですね。例えば「3と14ステップめだけにエフェクトをかけたい」っていうケースって自分の場合ほとんど想定できなくて、メインフィーチャーとして必要なのかどうか、今のところあまり分かりません。
ただ、同時に複数の種類のエフェクトを、好きなステップに設定したものを保存できるようなので、これはつまり、TR-8でいうSCATTERバリエーションを自作できるというイメージに近いのかな、と考えています。
ちなみに、上のYouTube動画はいつもわりと鋭いツッコミでお馴染みのSonicstateによるもので、だいたいのFAQに関しては切り込んでくれています。PCからMX-1を介して、その先に接続したTB-3やTR-8を外部MIDI機器としてコントロールできるかとか。今のところ、どの記事やデモよりも情報量が多いです。
その他で気になっているのは、通常のミキサーで定番の3バンドEQがコンソール上にないこと。各チャンネルのTONE/FILTERツマミに好きな種類のEQをアサインして値を設定できるようなのですが、例えばベースシンセを接続している場合、キックと帯域がバッティングしないように低域を削りつつ中域を持ち上げたりするような、一時的にかけるフィルターのような効果ではない、パーマネントな設定ができるのかどうか。
あとは、MASTERINGボタンがあり、スペック上に記載されているような10種類のマスタリングエフェクトがあるのであれば、どのような効果で、制作にはどの程度使えるのかみたいなことが気になります。要するにこう、極端にエッジが立っているような感じではなく、上手いことアナログミキサーっぽく音をまとめられると便利だなあと。
価格次第で時期はちょっと考えるかもしれませんが、私は導入する方向で検討しています。発売は春ごろ、価格はTR-8と同じくらいという話もありますが、それならだいぶ割安感あるし、AIRAユーザーでなくてもメリットはありそうです。何にせよ、いろいろと触って試してみたいですね。