Developer@Origami
先週12日金曜日、Developerが初来日と聞いて表参道オリガミのパーティー「Tension」に遊びに行ってきました。後日今年出たアルバムのまとめ記事でも書く予定ですが、Developerは今年、25曲入りで全部ツールトラックというDJにとっては武器庫のようなアルバム"In Pure Form"(SoundCloud)を自身のレーベルModularzからリリースしています。これが本当に良くて、本人がDJのなかでどういう使いかたをするのか、また曲自体がどういう箱鳴りをするのかにすごく興味があって、楽しみにしていました。
パーティーに先んじて木曜日にDommuneへのDJ出演があり、そちらもYouTube経由で観ました。アナログ2デッキでそこそこ堅実なミックスで、取り立ててテクニックがすごいとかではないけれども選曲が良くて。アタマのピッチ合わせのときのピチコンの操作が特徴的で(小刻みに上下させる)そこだけちょっと面白かった。
ところがパーティーではまったく違って、PCDJによるセット。ものすごい高密度のハードミニマルでした。おそらくTracktor4デッキで、X1かなにかのコントローラーを2台使っていたっぽい。まさしくModularzスタイルの荒々しくもシンプルな16分シーケンスが、常にレイヤー状に複雑に重なって展開するという、言ってみれば昔気質のテクノDJで、超ツボでした。ずーっと縦ノリで延々と踊った。
In Pure Formからも6~7曲くらいは使っていたのかな。やはりフロアで聴くと強力なトラックばかりで、改めてがっつり聴き込みたくなりました。序盤ですごく好きな3番を使ってくれたのがうれしい。アルバム通して、というかModularzのリリースを通して高度にクオリティコントロールされているのを聴いていて、これはDJも只者じゃないと見込んでましたが本当にその通り。Developer Archiveの音源もデジタルリリースしないかなあ。
オリガミ、初めてだったけど居心地良かった。表参道交差点のあんな一等地にあるのね。音も小箱としては理想的で、暗いフロアにスモーク多め、3時台スタートのDeveloperのときはかなりいい感じに出来上がっているというかなんか。ひたすら音に潜っていく感じで黙々と踊りましたね。友人知人系以外では今年そんなにパーティー行けてないけれど、ベストと言っていいくらい良かった。
テクノの良さを語り継ぐのに、1990年代後半とかの商業的な全盛期が例に出されることはままあって、私もつい比較してしまうんですが、Developerなんかのモダンなテクノでバキバキのセットを体験すると、むしろあのスタイルのテクノの成熟期、完成形はまさに今だと感じます。今テクノめちゃくちゃ面白いですよ。