Boomkatを利用してみて
これまで、DJ用の曲は主にBeatportで購入していました。たまにBandcamp、以前はJuno DownloadやTrackitdownを利用していたけれど、利便性や品ぞろえなんかを考慮すると、どうしてもBeatportに寄っていってしまう。月曜の夜の新譜チェックもそれなりに楽しいしね。
そんななか、ぼちぼち音源はmp3ではなくロスレスフォーマットで揃えたいと思い始めるようになりました。現状、320kbpsのmp3に関して特段の不満があるというわけではないのだけど、既にロスレス音源のみでDJをしているwatさんやSangoさんたちの話も聞きつつ、どうもいいかげん不可逆圧縮の時代は終わるんだろうなあと。
たとえ聴いて明確な違いが分からなかったとしても、いい音で聴けるならそれに越したことはないし、市場の近くに住んでいるのに、わざわざ冷凍の魚を買ってきて解凍して食べるってことはないわけですよ。
ただ、Beatportを利用する限り、WAVフォーマットってお高いんでしょうというイメージがある。なおかつ、クーポンのタイミングや新譜が旧譜になる値下げのタイミング、Bandcampを持っているレーベルならそちらとの価格差、さらに日本円とUSDの為替レート…という諸々の比較検討が、もうつくづく面倒で。Beatportほどとは言わないけれど、そこそこ品揃えが充実していて、価格が安定して安いショップがあるのなら、基本はそこでずっと買いたい。
私が買っているようなジャンルの場合、「Boomkat」がそれに当てはまりました。名前は聞いていたけど、今まで実際に利用したことはなかったので、ひと通り使ってみた感想なんかを書いておきます。
Boomkat - Your independent music specialist
http://boomkat.com/
Boomkatは英マンチェスターを拠点とするレコードストアで、ジャンル的にはクラブミュージック全般を幅広く扱いつつも、レーベルはある程度厳選したセレクトショップ的な側面が特徴のよう。
ダウンロード音源のフォーマットはmp3とFLACがあって、価格差もさほどではなく、例えば1曲0.99英ポンド(GBP)に対して1.10GBP、今だと173円に対して192円というところ。アルバムの標準的な価格は、新譜/旧譜を問わずFLACならだいたい7.99GBPのようで、これだったら多くの場合でBeatportよりもかなり割安になるんじゃないでしょうか。念のため、Juno DownloadやBandcamp、Hardwax、Bleepとも比べてみたところ、ほとんどのケースで安定してBoomkatのほうが安い。これならもう迷わなくて済むのかも。
試聴なんかの基本機能もひと通りある。特徴としては、どの曲も共通してイントロから2分間の再生なのと、30秒ごとにコピー防止のビープ音(220Hzのサイン波)が入るということ。前者の試聴範囲については、私はDJユースとしてはBeatportの場合よりも理に適っていると思うし、気に入りました。
Hold Binに代わる機能としてはWishlistがあって、これはトラック単位ではなくリリース単位で登録できるもののようです。もちろん要アカウント。気になるアーティストやレーベル縛りでのフォロー機能みたいなものはなさそうなので、各自でチェックするしかないのかな。
決済は普通にクレジットカード各種に加えてPayPalも選べます。ただし、後者の場合PayPal Surchargeというのがあって、小計に対して一定の金額、たとえば7.99GBPのアルバム1枚であれば0.47GBPが追加で加算されます。これは一度のチェックアウトが大きいほど割安のようなので、クレジットカードセキュリティ等の懸念からPayPalを選択する場合は、ある程度まとめ買いにしたほうがお得のようです。
決済が完了すると、アカウントページのDownloadsタブにリリースが追加され、アルバムならzipでまとめてダウンロードできます。ダウンロード速度は300-400kbpsとかなので気長に。Beatportのようにダウンロード期限などはないようで、その点は安心感はあります。
という感じでBoomkat、特にストレスなく使えたので、今後ここで買えるものに関してはここで買って行こうかな。何はともあれ、品揃えのチョイスが合うかどうかだと思うので、まずはレーベルやアーティストで検索してみるのがいいと思います。