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カセットテープをデジタルデータに

日記2014-08-19 17:30

家にある膨大なカセットテープのアーカイブをデジタル化しておきたいというのは長年の懸案で、せっかくならいい音で残しておきたいし、かといってオーディオマニア向けのカセットデッキは要らないしというあたりで悩んでいました。主に中高年向けと思われるそういった製品はいくつか出ていて、でもそういうのって機能を見ていくとあまりにもチープだったりして。

テープ・レコード きれいに CD - カセットテープやレコードを音楽CDにするソフト
http://www.ah-soft.com/audio_kirei/

ふと見つけたこの製品も、いかにもアレな感じのパッケージだなと思っていたんですが、説明を良く見てみると意外にもけっこう良さそう。調べたところ、どうもソフト自体はドイツMAGIX社のAudio Cleaning Labという製品をローカライズしたものらしく、ノイズ消去からEQやマルチバンドコンプでの簡単なマスタリング、flacなどへのエンコードまたはCDに焼くまでひと通りのツールが揃っている。値段も、ヨドバシで9,000円切る程度だったので、とりあえず試してみようかなと思って購入しました。

ちょっと意味が分からなかったのが、この製品、「ハードウェア付き」と「USBカセットプレイヤー付き」の2種類があって、どちらも同じ価格なんですね。後者はともかく、前者は何かと思ったら、要はケーブル形状のUSBオーディオインターフェイスのことみたい。これを指してざっくり「ハードウェア」と呼ぶのはまったく意味不明でしょ。今回は、カセットプレイヤーが必要だったので後者を選びました。

実を言うと、家にはカセットプレイヤーはすでに複数台あって、単に取り込むだけならそれを使えばいい話なんですが、USB直結のほうがノイズが少なかろうという判断で。プレイヤー自体もいずれも相当に年季が入っていて、ヘッド部分のメンテなど全然していないので、これを機にプレイヤーもと思いました。

使ってみての雑感

結論から言うと、この「テープ・レコードきれいにCD」に付属するプレイヤーは、私にとってはノイズが多すぎて、ちょっと実用には耐えない感じでした。接続自体は極めて簡単で、単にUSBで繋ぐだけで音声入力デバイスとして認識してくれる。そのうえで、再生ボタンで再生したものをPC側でモニターしてみたところ、わりと特徴のある持続音がずっと鳴っていて、これなら既存の年代物のプレイヤーのほうが無音に近い。サーというより、ブーというようなノイズ。カセットを何も入れない状態で再生してもノイジーなので、これはどう考えても本体がアレな感じでした。

一方でソフトウェアのほうは、これは思っていたのよりもはるかに高機能で使いやすいもので、感心してしまいました。DAWよりも機能は絞られるものの、かゆい所に手が届く作りになっていて、波形編集画面のキーボードショートカットなども一揃いあって。マスタリングまわりも実際に試してみて、ちょうど設定が決まるとプリセットの組み合わせだけでも、ある程度まではいけそう。組み合わせた設定は保存できるので、流れ作業でもラクできる。えー、いいじゃんこれ!

それなら、ハードで拾ったノイズをソフトで消せばってことではあるんだけど、もともとの音源のノイズを消すのと、本来拾わなくていいノイズを消すのは全然別の話で。消すと言っても、もちろん音が悪くなるデメリットはあるので、工数は少ないに越したことはない。そういう意味で、いろいろと惜しい製品でした。冷静に考えれば価格なりではあると思います。

なのでまあ、ソフトウェアに関しては今後十分使いようはあって、さあプレイヤーをどうするかという問題に。本格的に録り込み作業に移る前に、もう少し吟味するかなあ。何しろ、大学生のころまでに作った音源は本当にカセットテープでしか残っていなくて、これをなんとかしたい。

8/19 22:55追記:
せっかくなので、もう少しノイズの件の検証手順を細かく書いておきます。プレイヤーがUSB給電の関係でノイズを拾っているのかと思い、セルフパワーのUSBハブ、本体側に乾電池を入れて、のいずれも試しましたが同じでした。そのうえで、今度はUSB接続を外して、電池駆動で本体のヘッドフォンジャックにてモニターしてみたところ、これも同じでした。

モーターが駆動しない状態では無音なんだけど、再生ボタンを押して本体ボリュームを上げると、ボリュームと連動してノイズが大きくなる感じ。USB接続の時も、本体のボリュームダイヤルの影響を受けるという謎の仕様により、適正音量で録音しようと思ったら必然的にノイズが加わってしまう状態です。

そして気づいたのですが、どうもこのプレイヤーそのものは、米ION社の同様の製品Ion Tape Expressの古いモデルで採用されているものとまったく同一の形状のようです。最新モデルも、デザインこそ異なるものの、操作系の配置がほぼ同じように見えるので五十歩百歩かな。ますます悩ましいね。

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