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網膜裂孔の治療(2回め)と緑内障の発覚

日記2014-07-22 13:42

網膜裂孔の治療(2回め)

先週、半年ぶりの眼科の定期検診で右目の網膜裂孔が見つかって、即日レーザー手術(光凝固術)となりました。5年前の29歳のときに左目をやっているので、2回めです。私は10代から強度の近視で、これはまあ、穴が見つかったら塞いでいくしかなくて、どうにか網膜剥離になる前に手を打っていくという感じで。

ところでこのブログ、継続的にアクセス解析を見ていると、前回の治療の記事(網膜裂孔の治療体験記 | EPX studio blog)だとか、その前の飛蚊症に関する記事(飛蚊症との付き合いかた | EPX studio blog)へのアクセスがコンスタントにあって、それを見るにつけやはり書いておいて良かったなあと思います。なにごとも当事者となると、自分以外の他のいろいろな人のケースを知りたいもので。ニッチな趣味なんかもそうだけども、こういう話題はインターネットに向いてる。なので、今回の件もいつか誰かのなにかの参考になることを期待して、一応書いておきます。

穴が見つかったのは、眼球をラグビーボールに例えると下辺部のあたりで、強度近視によってまさにラクビーボール状に変形することで、そのあたりが薄くなるのだそうで。前回と同じように、機械で強い緑色の光をチカチカと30回近く当てていく要領で、痛くも痒くもない代わりに、猛烈に眩しい。でいて、瞬きができなくて、涙はぼろっぼろ出るし拷問のような。

考えてみれば、眼球を通して網膜にレーザー光を当てて焼くというのは、なかなかえらいことだ。普段眼科のお世話にならない人にとっては、想像しただけで卒倒するようなことなのかも。実際には、別になんにも恐いことはないんだけど、できればもうあんまりやりたくないですね。あと、治療費が3割負担で35,000円とかになるので、痛いか痛くないかと言われれば、そっちの意味で痛い。

一週間して経過を観てもらって、色素が定着するような感じになるらしくて、異常がなければ引き続き定期検診で経過を観察していく。これ自体はそのようなものです。

緑内障の発覚

で、右目のその網膜裂孔が見つかったのと同じタイミングで、左目に眼底検査で初めての異常が見つかりまして。視神経乳頭に一部暗くなっている箇所があって、視神経の活動を診るヒートマップのようなカラーの図でも、視神経が反応していないエリアができている。これは緑内障の疑いがあるので、視野検査をした方がいいですねってことで、タイミングよく予約の取れた翌日に初めての視野検査。

まず私はおそらく人間の目における「視野」というのを誤解していて、それはいわゆる液晶画面の視野角のような、角度ないし幅を持った一定の範囲であって、緑内障ではそれが端から狭くなっていくイメージでした。なので、そもそも視野が欠けてきたら、検査するまでもなく自分で気づくでしょと思っていた。
けれど人間の脳というのは良くできているもので、見えないとか見えにくいものは、画像処理のプロセスで補完してしまうそうなのです。「見えない部分が見えていない…ように見える」というのは、つまるところ、本人が自覚できるレベルにおいては「欠け」が存在しないのと同じことで、そのために検査機器で検査をするのだということでした。

といっても、視野検査ってのは、なんだか素人にとっては原始的とも思える仕組みによるもの。機械に顎を乗せ片目で一点を見つめて、視界の上下左右にランダムに出現する白い光点が、見えたと感じた瞬間にボタンを押す。所用時間は両目合わせて10分そこそことはいえ、なかなかに集中力を要する作業でした。もちろん、誤認やボタン押しミスもあって、そういった誤差も含めて、見えない箇所は何度光っても見えないのだそうで、それを紙に2次元的にマッピングして出力するようなシステム。

結果として、私の場合、先の眼底検査で視神経が機能していない部分と、視野検査で無反応だったエリアが対応しているということで、左目のみ緑内障と診断されました。視野欠けは、縦横20ドットくらい?のマトリックスで表現された視野の1、2ドットに現れていて、症状としてはごく初期のものらしく、自覚症状がまったくなかったというのももっともな話。

眼圧は以前から正常な値だそうで、今回の時点でも数値的には14~15の範囲ということで、「正常眼圧緑内障」というのに該当するみたいです。緑内障イコール高い眼圧みたいなイメージがあったので、そういうものがあることも知らなかった。どうも、これにもやはり強度近視が関係しているらしく、あと遺伝の疑いがあるとのことでしたが、私は近親者に緑内障の人はいないのでなんとも。

緑内障とは、放置しているとだんだん眼球を満たす水分の圧力で視神経細胞が間引かれていって、その結果として視野が欠けていき、数十年スパンで失明するおそれもあるというこわーい病気です。しかも視神経は自然再生しないので、進行は不可逆のもの。治療としては、点眼薬でどうにか進行を止めることが目的ってくらいで、原則的には一生付き合っていくようなものです。

でまあ感想としては、30代も半ばだしあちこちガタも出てくるよねという具合で、さほどネガティブにはなっていません。少なくともいまの時点では、お風呂に入ったり歯みがきする要領で目薬を差せばいいだけで(ちなみに処方されたのは「キサラタン」という緑内障治療ではメジャーなお薬)、定期的に通院しないとなのは、飛蚊症出始めた20代から変わらないし。
そりゃ失明なんていうのは避けたいけど、自力でどうにもできないことを気に病んでもね。変な話、目が弱くてもすばらしい仕事をしている人はいっぱい知っているし、とりわけJ.S.バッハの充実した人生と晩年の仕事ぶりを思うと、もはや何も言えないでしょう。

それにしても、人生色々なことがあるもので、みなさんもどうぞお大事に。ともかく強度近視の人はそれだけで複数のリスクを抱えているそうなので、数か月~半年スパンの眼底検査は欠かさないようにしたほうが良さそうですよ。私はといえば、先天的後天的問わず、自分がたくさん持っているポンコツな箇所のひとつとして気は配りつつも、普段通りに生活していくつもりです。

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