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コーロ・ヌオーヴォとBCJによる「ミサ曲ロ短調」

クラシック2014-05-15 17:00

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先日5月10日土曜日、東京のアマチュアの合唱団「コーロ・ヌオーヴォ」とバッハ・コレギウム・ジャパンによるJ.S.バッハ「ミサ曲ロ短調 BWV232」のコンサートへ行ってきました。指揮は鈴木優人さん。場所は王子の北とぴあ さくらホールでした。

このコンサート、以前から知ってはいたものの一般のチケットセンターでは前売りが買えないとあって、当日券があればと思って出かけてみたのですが、運よく。しかもほぼ全席自由席で、タイミングがよかったこともあって、1階のかなりいい席を確保することができた。すぐ近くの関係者席には鈴木雅明さんもいらっしゃいました。

なんでも、息子さんの優人さんがBCJを指揮するのは今回が初めてとのことで、長い目で見ればいずれは来る世代交代を見据えた機会のひとつだったようです。鈴木優人さんは、私とほぼ同年代の方で、BCJのチェンバリストとしての活動やバッハを中心としたバロック音楽の演奏だけでなく、古楽器による現代音楽グループ「アンサンブル・ジェネシス」のメンバーでもあり(新垣隆先生はジェネシスの座付きの作曲家だそうです)と、幅広く活動されている音楽家です。バロックと現代音楽って親和性が高いのか、こうした自由なスタンスで仕事をこなすアーティストが同世代に多くて、わくわくしますね。

さて、ロ短調ミサは個人的に前回聴いたのが3年前の東京カテドラル(中大混声によるロ短調ミサBWV232 | EPX studio blog)で、今回はこのときとはまったく違うコンサートホールとしての音場で楽しめるとあって、期待していました。なんと言っても管弦楽がBCJだし!

はじめ、正直なところKyrieはアレッという感じで。コーロ・ヌオーヴォは70名弱からなる合唱団なんだけど、やけに薄ーく感じてしまって、とくにテノールのおじさまたちの声量が物足りない。しかも冒頭にフーガが来るものだから各パートごとのカタさが余計に目立ってしまい、悠然としたテンポの指揮だったこともあって、これはちょっと厳しそうだなぁと。

ただ驚いたことに、この序盤の固さが曲が進むにつれてどんどんひとつになって、良くなっていくのです。これはもちろん管弦楽が素晴らしいこともあると思いますが、不思議とのびのびと、特にGloriaが始まって終曲のCum sancto spirituに至ってはオケに負けないくらい、キビキビとした勢いのある歌で感動しました。
以前『合唱ができるまで』というアマチュア合唱団のドキュメンタリーを観たのだけど、まさにそこで描かれていたような、バラバラの声がひとつになっていく過程を目の当たりにするようで、大変面白かったです。

BCJの若手声楽ソリストも素晴らしく、特にソプラノの松井亜希さん、アルトの青木洋也さんが良かったです。Agnus Dei最高だった。彼らは合唱パートには参加しないのですが、ラストのDona nobis pacemでは合唱に加わって、終演後は合唱団に向かって拍手を送っていたのが印象的な場面のひとつでした。器楽では、トラヴェルソのデュエットがすごく良かったです。

3月のヨハネ、4月のマタイに続きロ短調ミサと、思いがけずバッハの大作をBCJの演奏でたて続けに生で聴くことができました。次は7月のブランデンブルク協奏曲全曲!調布音楽祭楽しみですね。

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