AKG K451とK240 Studio
ちょっと前にヘッドフォンを買い替えた話。
オーディオにはさほど凝るほうではなくて、普段そんなに情報収集をしているわけでもないし、もっと言うと細かい違いが分かるほどの自信もない。なので、他の人から薦められたものだったり、ブランド頼りだったりで、あんま迷わず信頼性のあるものを。AKG製品に行きがちなのはここ数年来の傾向です。
K451
まず、出先で使うヘッドフォンとして、去年買ったインナーイヤーのAKG K321が全然ピンと来なくて(AKG K321とLogicool m235 | EPX studio blog)、これだったらPanasonicの1000円しないやつのほうがずっといいなという。そこで色々探して気になったのがK451でした。
サウンドハウスで6,980円。現物を見てみて、他のAKGのポータブルと比べてヘッドバンドが安っぽくない作りだったのと、試聴してみた印象も良かった。これまでは外ではカナル型のインナーイヤーばかりだったため、この手のタイプで音漏れがないか気になっていたのですが、思っていたよりも密閉感があり、よほど爆音でなければ大丈夫そうです。
音としてはわりと明確にドンシャリ系。比較的フラットな印象のあるAKGのリスニング用の感じとはまったく違って、でも雑にまとまって聞こえるような感じでもなく、楽しいです。アコースティックな音も悪くない。というか、音的にはインナーイヤーとは比べるべくもなくて、もっと前からこれにしていれば良かったなと思いました。
本体側のプラグを切り替えると、iPodに対応した音量リモコン付きのケーブル(付属品)に交換できる。あまり評判はよくなさそうですが、個人的には物理ボタンで操作できるのがかなり便利です。
…関係ないけど、そもそもiOS7のミュージックプレイヤーのUIおかしいですよね。次の曲に送るボタンの数ミリ下に、音量を最大化するスライダーがあって、タッチを誤ると耳が死ぬの。なんの罠なのかあれ。
先日のBody InformでDJのモニタ用として試してみたところ、全然いけました。定番のMDR-Z700DJよりも細かい音のニュアンスがよく聞こえるために、かえって自分のDJが前よりヘタになったように感じるという弊害?はあるものの、慣れたらこっちのほうがきっと良さそうです。
今のところ特に不満もなく、これは買ってよかった。ヘッドバンドが若干短いので、頭の大きい人は合わない可能性もあります。ヨドバシとかの大きめの店舗にはだいたい置いてあるようなので、試着&試聴をおすすめします。
K240 Studio
上のいきさつとは関係なく、たまたま年明けにサウンドハウスのサイトを見ていたら、いまだにK240 Studio (K240S)の新品が買えるのを知って、しかも8,780円とか爆安で。これ、8年前の2006年に曲作り用のヘッドフォンを物色しているときに薦められた、当時既に定番だった製品。黒と金をキーカラーにしたデザインも好きで、なんとなく憧れがありました。
けれど、そのとき買ったのはK301 XTRA。以降、メインで愛用してきました。
これは、ポップな見た目に反して、脚色が一切ないものすごくフラットな出音で、このヘッドフォンで私の世界は変わりました。まあ、今でも作る音の出音が良くないとすれば、私のマスタリング技術がヘボいだけでヘッドフォンのせいではまったくないのですが、少なくとも鑑賞者として格段に情報量が増え、音楽生活が豊かになりました。大げさではなく。
さすがに8年以上使い込んで、外見上の経年劣化も目立ち始めていました。まずイヤーパッドが固くヒビ割れてきて、交換パーツを探したものの見つからず。モデル自体はとっくに廃番、デザイン的にはほぼ後継機のようにして出たK530(白いやつ)を買い逃してしまったのも痛かった。
そこへきて、このK240S。ついでとばかりに、こちらもサウンドハウスで注文してみました。
実際に聴いてみてまず驚いたのが、今まで使っていたK301とほとんど同じ聴こえかただった点です。テクノでもクラシックでも。特段に解像度が上がったと感じることもなく、ほんとに同じような心地よさ。つまり今までのK301が、定評のあるK240S並みに、やはり良かったんだなということ。前者はいまひとつマイナーな機種で、当時から全然話題に上ることもなかったので、ある意味今回K240Sと比べてみてようやく自信が持てた。
側圧もだいたい同じくらい緩く、パッドが耳全体を覆う形状になっていることもあって、眼鏡の上に長時間装着していてもまったく痛くならない。ただ、密閉感はこちらのほうがあって、より没入できるような印象はあります。
すごく低音が出るとか、そういうタイプではないので、クラブミュージックだけを聴く場合は必ずしもベストではないと思います。弱く感じるかも。けど、アコースティックな音は本当に気持ちよく自然に鳴るし、クラブミュージックをやる上でも、この出音に慣れておくのは私にとっては必須のことだと感じています。
そんな感じで、しばらくはこの2つを使い分けていこうと思っています。