Race The Sun
PCのインディーズゲーム"Race The Sun"にハマりました。というかそんなに奥深いゲームではないのだけど、全体的なデザインがツボで、これはいいなと思ったので。なにはなくともトレーラーを見てみてください。
レースゲーム…ではなくて、障害物を避けながらどこまで行けるかを競うゲーム。操作は至ってシンプルで左右の移動のみ、アイテムを取ることで得点が上がったり加速したり、ジャンプ回避が使えたり。とにかく淡々と高速移動する自機を操作するというストイックなゲームで、イメージとしては、Wipeout HDのZONEモードみたいな感じ。
要はネコがよくやる、狭い隙間をダッシュで駆け抜けるひとり遊び、あれですあれ。
インディーズゲームの小部屋:Room#299「Race The Sun」 - 4Gamer.net
http://www.4gamer.net/games/040/G004096/20131001055/
このゲームのアイデアの最も美しい点は、自機をソーラーパワーで飛行するマシンにしたことだと思います。沈んでいく太陽が、残り時間を示している。日が沈むほどに影が長くなるため、影を避けながらルートを選んでいけないといけない。アイテムで加速するとちょっとだけ日が高くなるので、(障害物が複雑さを増すなかで)必然的に加速を繰り返していく形になる。
左右に移動はできるものの、画面に端はなくて、どこへでも行ける。それでも常に画面の中心に太陽が来て、ひたすら太陽に向かって突き進むという。テクスチャのない無機的な空間に、ここだけドラマ性が与えられているという演出も明快でいいなと思います。日が沈みかけると、もちろん夕焼けが広がっていく。
障害物をスレスレで避けるという気持ちよさは、おそらく弾幕系シューティングとかにも通ずる感覚なんだろうけど、ギリで避けるとそのときだけ風を切るSEが入ったり、その部分の気持ちよさにフォーカスしてデザインされているのがよく分かる。キーボードなら矢印キーだけでプレイできるし、パッドならもっと遊びやすいです。
開発したのはFlippflyというインディーズゲームメーカーで、兄弟2人でやっているらしい。"Race The Sun"はその第1作として今夏リリースされたばかりでなく、ユーザーの投票によってSteam入りを決めるSteam Greenlightでも既に必要な票を集めたそうで、Steam版のリリースも決まっているそうです。ちなみに、いま購入したユーザーにはSteam版のキーも配布されるとのこと。
なんだか、最近にわかにSteam周辺のインディーズゲームの動向が気になりだしています。というのも、大きい開発会社が作った大作ゲームみたいなの、そうそう遊んでいる時間もないし、革新的な面白さに出会うということも少ないし。それよりも、短くてもアイデア一発勝負、もしくはレベルデザインに命かけてるみたいなゲームに興味があって、そういうなかでビジュアルのテイストも好みのものを物色しています。
インディーズゲームの開発現場を捉えたドキュメンタリー映画、その名もIndie Game: The Movieというのも昨日知って、ちょっと観てみたいなぁと。
Indie Game: The Movie
http://buy.indiegamethemovie.com/
いい作品はほんと一握りだろうし、現状では探すのも大変だけれど、そういう状況はテクノなんかのクラブミュージックを取り巻く環境とも似ているのかなと思います。あと、そうか、コミティアあたりのマンガ同人誌界隈もそうですね。
マーケットに左右されず、それぞれに哲学を持った作り手が世界各地にいっぱいいて、それにリーチする手段も(インターネットという形で)あるというのは、幸せな時代ではありますね。
で、"Race The Sun"、ほんとに空き時間にちょこちょこやる系のライトなゲームで、引っかからない人には引っかからないと思うし、逆にテイストが気に入った方にはお勧めです。