こどもの国でお花見を
先日フミアキさんと飲んでいて、ひょんなことから「こどもの国でお花見をしよう」という話になりました。その後トントン拍子で日程が決まり、折しも全国的に桜の開花が早まったなか、タイミング的にもジャストな先の土曜日に決行。
「こどもの国」とは、横浜市青葉区にある有料の複合公園施設で、その名の通り地域の子供には遠足やら何やらで馴染み深いところです。私も例に漏れず、小さいころは何度も家族に連れられて遊びに行っているものの、成人してからはまったく縁がなく、すっかり忘れていました。
集まったのは総勢9名の大人。どれくらい大人かというと、32歳の私が一番の若輩者という。
お菓子も大人買い。園内はアルコール持ち込み禁止とあって、ガチのお菓子パーティーになりました。小高い丘のエリアにシートや椅子を広げて、ごろごろと。
桜の咲き具合は5、6分咲きといったところでしたが、他のいろいろな草花も鮮やかに、お花見気分を満喫できました。若干曇りがちで風も冷たく、そういうところもまた春らしいといえばそうなのですが。
久しぶりに一眼を下げて園内をぶらぶらしつつ、戦時中の弾薬庫の名残りを見かけてはシャッターを切り。通りは子供連れで溢れかえっていたものの、時期的にまだ少し早いせいか思っていたほどでもなかったです。
帰り際、園内の牧場で名物のソフトクリームを食べました。
面白いのは、公園の入り口付近の地面一帯が、チョークで自由に落書きをできるエリアになっていて、カオスだったこと。いいねこういうの。
16時半閉園。その後、残ったメンバーで南町田のアウトバックへ行き、苦しくなるほど肉を食べました。3月はなにかと忙しく、こういう休日らしい休日を過ごせたのは嬉しいです。
春のあれこれ
しばらく日記的な感じの記事を書いていなかったので、いくつか。
上の写真は、今月のアタマにセンター南駅近くの公園で散歩したときのものです。ここはちょっと高台になっていて、西側の斜面が梅の名所になっていて。右側の赤っぽいのも梅ですね。モトローラの携帯(201M)のカメラで頑張りました。
なんだかありがたいことに、遊びや飲みのお誘いもちょくちょくあって、繁忙期の合間を縫って出かけたりしています。そう、例年よりマシとはいえ、3月はやっぱり何かとバタバタしますね。来月ひと段落したら、旅行にでも行きたいところ。
らいおんさんが声かけてくれて、平日に幡ヶ谷で飲んだのは楽しかったです。京王新線の幡ヶ谷。決して遠くないわりに馴染みのない土地で、おもしろいという話は聞いていましたがその通りでした。
小さい面白そうな飲み屋、レストラン、バーがいくつかあって、そこを巡回するように常連さんが行き来してる。ひとつところに何時間も居る感じじゃなくて、ふらっと飲んでお喋りして、っていうのがあちこちで続いていく感じ。地元にはまったくない文化で、新鮮でした。お酒強くなくても、通いつけたら友達増えるだろうし、楽しそう。
自転車をどうしようかって話、去年から書いていますが(自転車をどうするか問題)、おおよそ目星をつけました。GIANTのEscape Airの新色が4月に入るみたいなので、マットブルーにしようかなと。近所にジャイアントストアができて、渡りに船と思っていましたが、色だけがしっくり来なかったところ、なにかと縁のある「青」が出ると聞いて。暑くなる前には乗りたいです。
買いものって言えば、PlayStation Vitaを買いました。値下げしたタイミングで。
ついでに、3DS LLの代わりに宙に浮いていた初代3DSと、ソフトをいくつか売ったところ、そこそこ相殺できました。ゲーム売るのってあまりしたことなくて、よく考えたら死蔵してても遊ばないしもったいない。売っていこう。
PlayStation Plusという月額500円のサービス、体験キャンペーンをやっていました。『アンチャーテッド』とか『リッジレーサー』がフリープレイ扱いになっていて、そこそこ楽しめました。これで定期的に遊べるタイトルが投入されるなら、入ってもいいかも。
リッジは、少なくとも3DS版よりはよくできているのだけど、いかんせんコースが少ないのが。本当に3コースなのね。なんだか、全部入りでちゃんと作ればいいのにって感じ。
あとは…クラシックのCDは、ちょこちょこ買っています。バッハばかりですが。YouTubeでリリング指揮のカンタータがすごく好きになってしまって、全集を少しずつ揃えたいと思っています。マイスキーのチェロ組曲は1月からずーっと聴いてます。
この春のコンサートは、4月に上野の春・音楽祭にひとつ聴きたいのがあるのと、恒例のラ・フォル・ジュルネはとりあえず2公演を押さえました。リチェルカール・コンソートのラモーとクープラン、ヴォックス・クラマンティスのメシアンとデュリュフレです。メシアンは興味があって、チャンスがあれば他にも聴いてみたいな。いつまでチケットがあるのか…ですが。
『坂道のアポロン』の原作
先日、DVDで通して鑑賞して、いたく感銘を受けた標題作の原作コミックを読みました。小玉ユキさん作、小学館flowersフラワーコミックスαより全9巻。というかいわゆる少女マンガを買うのが初めてかもしれない。
アニメ『坂道のアポロン』 | EPX studio blog
http://www.epxstudio.com/blog/2013/0301_kids-on-the-slope.html
以前の記事で書いた通り、アニメがものすごく原作に忠実に、丁寧に作られていることが分かりました。かなり細かいエピソードやセリフ回しも、そのまま。それだけに、印象深いシーンは余裕で脳内再生されますね。まだ観てから間もないということはあるにせよ。
ボリューム的に原作コミックのほうがアニメの1クールよりもちょっと多くて、カバーしきれなかったと思しきエピソード、特にキャラクターのバックグラウンドに関する重要な話がいくつかあって、なんというか納得できました。序盤だと、千太郎がドラムを始めたきっかけとかね。
大きく違うのが8~9巻。まず、アニメでは駆け足だった三年生のエピソードが多かったのと、あとラストが、大筋では同じなのに、印象がまったく違いました。正反対と言ってもいいくらい。
ネタバレを省いて書くと、コミック版はなんかほんと単純に、ああ良かったなぁと思えるわけです。こういう大団円に繋げたい原作者の心情は、分かる気がします。みんな不器用で素直な若者だし、幸せにしてあげたい。
だけど、「青春は取り戻せない」という一点において、アニメ版の描き方が、刃物のごとく鋭く、妙なリアリティがあっただけに、ちょっと凡庸というかご都合っぽくも感じてしまう。心の穴埋めとしては大いに楽しめたので、どちらがベターかというのは難しいところです。
本編は全9巻で、もう1巻ボーナストラック的な作品があるのだとか。こちらも近いうちに。
Aki-Bug Super
9日夜は、秋葉原バグースを使っての手作り屋内rave「Aki-Bug Super」に行ってきました。
今回は、お知らせしていた通り前日金曜の前夜祭にDJで呼んでいただいたので、そちらにも出演しました。会場のオトトリズムは、路地をちょっと入ったところの地下にあるバースペースで、本祭と同様、サウンドシステムとドリンクを持ち込んでの手作りイベントでした。序盤だったので、地味なテンションの(といっても最近の個人的メインストリーム)テクノを30分ほど。スタッフや界隈の方がたくさん集まって、まったりした雰囲気で楽しい時間が過ごせました。どうもありがとうございました!
さて、翌日は遅い電車で会場入り。実は、今の会場で「Aki-Bug」というタイトルに変わってからは初めてだったのですが、既にほぼ満員に近い入りでびっくり。当日までの流れを雰囲気は、主催の一人NackyさんがTogetterにハッシュタグまとめを作成されているので、こちらを。
Aki-Bug Super #akibug タグまとめ - Togetter
http://togetter.com/li/469631
素晴らしいと思ったのは、どんなジャンルになってもお客さんが着いていくところです。場所柄、ネタものがかかると盛り上がるのは当然として、そうでないところでも全部ひっくるめて楽しんでいる感じが伝わってきました。
自分は、たぶん広義のオタクには十分含まれると思うのですが、いわゆる今の秋葉原のアニメとか何とかの文化とは縁遠いと思っていました。理解できないこともないけれど、少し距離を感じるなぁと。でも、壁を作っているのはむしろ私のほうで、秋葉原の人たち(と敢えて一括りにしてしまいますが)って、全然分け隔てしないんですね。というかなんか、同人ライクなDIY精神が染み付いているというか。
これ、今の時点ではきっと秋葉原界隈のカルチャーに根差してこそ成立するイベントなのだと思います。300人近くのお客さんが入ったのだとか。とにかく熱量に圧倒されました。
正直なところ(そして失礼な話)、オタクカルチャーに馴染みのない友人やなんかを誘ったとして楽しめるのかな、という懸念もありましたが、まったくの杞憂でした。少なくともお祭り的雰囲気が好きな人なら、誰でも楽しめると思います。そもそものパフォーマーの実力はお墨付きだし、ヘンな先入観はもったいない。
朝5時の終演があっという間でした。楽しい時間をありがとう!スタッフのみなさん、お疲れさまでした。
秋葉原重工とSOLISTA feat. Dino Sabatini & Sigha
ずいぶん経ってしまいましたが、思い出しつつ。
先月2月23日は、秋葉原MOGRAでのパーティー『秋葉原重工』に遊びに行きました。通算7回目とのことで、これだけ大所帯のレジデントDJ/VJ陣で、コンスタントにパーティーを重ねつつ、CDやグッズも作ったりという連携プレーには感心しています(特に、東京~広島間という地理的な不便をものともしないtakaukeくん!)。毎回、ゲストの顔ぶれが多彩なのですが、みんな少しずつ「重工」のイメージに寄せているように聴こえるのが面白いですね。コンセプトを一言で体現する簡潔なネーミングやビジュアルって、つくづく大事だなぁと。今回は初のデイイベントとのことでしたが、盛り上がっていました。
打ち上げのあと、elevenへ。去年、川上くんに薦められてハマったDino Sabatiniが、アルバムリリースツアーとしてSighaと共に来日。話を聞いたときから、楽しみにしていました。
Prologueから出たDino Sabatiniのアルバム"Shaman's Paths"は、トライバルなビートを120前後の控え目なBPMで組んだディープめの作品ですが、本質的に「走っている」シーケンスが多く、ずぶずぶとハマれます。低音にフォーカスした音作りはひらすらに重く、これはelevenのような箱で聴いたらヤバいだろうなと思っていました。
トライバルというモチーフを取り入れたミニマルの作品としては、"Universal"に代表されるOliver Hoの一連のMeta作品がありますが、あれほど分かりやすくハードではないものの通じるものがあります。
それから、Sighaのアルバムはチェックできていなかったのですが、来日の話を機に、改めて聴いてみたら素晴らしくツボだったので即購入。同じく昨年出た"Living With Ghosts"ですね。iTunes版だけなんだかジャケが修正されてて笑いました。思っていたよりもアグレッシブで、真っ直ぐなテクノが多かったのが意外でした。3曲目がお気に入り。
今回の来日では、Dinoはライブセットでした。アルバムまんまの、変則キックと生々しいパーカッション、呪術的なウワモノシンセが支配するどんよりした世界観に引き込まれました。ちょいピッチ上げていて、120台後半だったんじゃないかと思います。もしかしてものすごくディープでドローンな感じになるのかと思ったら、普通にテクノで踊れました。かなり気持ちよかった。
続いてSighaはDJ。3時半くらいからだったと思いますが、序盤から飛ばしていって、16分ハット乱れ打ちなハードミニマルになっていました。130ちょっとくらいで速く感じてしまうのは、私の耳が変わったのかな。ローの抜き差しがすごく上手くて、少し長めに引っ張ったかと思えば、ジャストのタイミングからずらして入れてきたり、さじ加減が絶妙でした。またこの日のelevenのサウンドシステムが、いつもの「鳴りすぎてる」感じじゃなくて良かったです。ERの耳栓使わなくて済んだの久しぶり。
重工から一緒だったtakaukeくんとwatさんと、さすがに疲れたので5時過ぎに離脱。充実感。
アニメ『坂道のアポロン』
昨年来、映画やアニメ、本などの作品を友人に薦められたら、買うなり借りるなりして積極的に観るようにしています。特に、映画やアニメに関しては、日常的に観る習慣がなく、まったくアンテナを張っていない状態が何年も続いていたため、世間で話題になった作品のことも全然知らなかったりして。
ツタヤディスカスに加入したこともあり、DVD化されている映像作品は、気軽に借りられるようになりました。薦められたもののほか、Twitterのタイムラインとかで面白そうだなと思った作品は、リストに入れておくようにしています。『月に囚われた男』(映画)、『合唱ができるまで』(映画)、『ファイアボール』(CGアニメ)は特に良かったです。それぞれについて感想記事を書きたいくらい。
昨日、アニメ『坂道のアポロン』のDVD全4巻の鑑賞を終えました。これは、1月にSangoさんたちとお茶したときに、奥様であるぽてきちさんに薦められた作品で、音楽がテーマだからハマるかもって。説明だけ聞いて、何となく学生バンドの成功物語とか、そういうイメージでしたが、全然違いました。観て良かった!
アニメ「坂道のアポロン」公式サイト
http://www.noitamina-apollon.com/
予備知識いっさいなしで、まず1~3話が収録されたDVD1巻を観て、一気に引き込まれました。
60年代が舞台の青春ものといえば、映画の『コクリコ坂から』がそうですが、ある意味で対照的な作品でした。あの映画が好きになれないのは、(ジブリ作品らしく)美しいものしか描いていないところなんですよね。俊くんと海ちゃんは、基本的に非の打ち所のないパーフェクト超人で、そしてなんだか都合よくハッピーエンドになってしまう。
これはネタバレでも何でもないのですが、『坂道のアポロン』に出てくる少年少女は、限りある時間のなかで、それぞれに何かを失います。それは、彼らのほんの少しの意地だったり、怖れ、あるときは勇み足であったりするような、人間的な未熟さ(もしくは人間的であるが故)の失敗の結果として現れるものであって、その「傷」の痛みの表現が、何とも言えずリアルでした。
同名の少女マンガが原作と聞いて、納得。男性作家だったら、ヒロインを理想化して描きすぎて、完璧(で中身のない)キャラクターにしていたかもしれない。この作品に出てくる律子は、主体的にアクションを起こせないうえに、迷いや気持ちの変化のためにことごとく機を逸してしまう、ひどく不器用な少女として描かれています。対する薫も千太郎も、他のキャラもそうで、何度も何度も失敗を犯しては、自らの失敗を悔いる。この話は高校3年間を舞台にしてはいますが、彼らは簡単には成長しない。1話から12話まで、失敗とすれ違いばかり。
そして多分...、期待された最良の終わりかたではないのです。見終えたあとの寂寥感はそこから来るもので、作品が終わってしまった、ということと、青春はこのような形で終わってしまうのだというリアリズムが、二重の意味で実感されました。
観ている最中こそ「こういう青春が自分にもあれば良かったな」という単純な憧れが湧いてくるのですが、見終えたあとになって初めて、実はこれは「高校生が田舎でジャズ」という特異なシチュエーションに限定されない、ある種普遍的な「青春の傷の痛み」を表現しているのでは、と思えてきました。
いま原作コミック(小玉ユキ著、小学館flowersフラワーコミックスα刊)を読み進めています。読んでわかるのは、アニメがとても原作に忠実に、丁寧に作られていること。3巻の表紙裏で、作者が興味深いことを書かれていたので、以下に引用します。
この物語は、フィクションです。というか、ファンタジーです。不思議なことは何も起こりませんが、ある意味、今まで描いた中で一番、ファンタジー寄りのまんがなんじゃないかと思っています。
ファンタジーとは、ただ現実から乖離した絵空事なのではなく、まったくの空想の産物であるが故に象徴的で根源的なのであって、菊田裕樹さん風に言えば、そこになにがしかの人間的真実があるのだと思います。その意味では、この作品は紛れもないファンタジーです。
改めてDVDを買ってもいいかな、と思いつつも、気軽に何度も見返すような作品じゃないような気もします。良い作品を観たという思い出が、この作品によって喚起されたほんのちょっとの傷と共に、記憶のどこかに残っていればいいかな。