テクノ、今年の5曲
本日公開された、DJのTAK666くんの主催する企画「5TRAX」に参加しました。
5TRAX2012 :: 今年リリースされた『コレはヤバい!』ってトラック5曲でMIXを作ろう。
http://www.heterodoxy.biz/5trax2012/
表題にもある通り、2012年にリリースされた音源のうち、任意のジャンル縛りの「ベスト5曲」でDJミックスを録ってアーカイブしよう、という企画。なんと最終的に100名以上のDJが参加したとのこと!すごく野心的で面白い企画だし、並外れて広いジャンルに精通するTAKくんならではのアイデア&行動力だと思います。まずはお疲れさまでした。
私がピックアップした5曲は次の通りです(Beatportにリンクしています)。
- Krenzlin /Outward (Kike Pravda Remix) [Hypnotic Room]
- Truncate /Dial [Truncate]
- Cari Lekebusch /Steady Motion (Alan Fitzpatrick Gets Ravey) [H-Productions]
- Phase /Binary Opposition (Ben Klock Process) [Token]
- Lighter Thief /Time is Now (Paul Mac Mix) [Beard Man]
Kike Pravdaのリミックスものは本来ピークタイム向けながら、イントロが良くできているので1曲目に。粘りのあるキックと空間系の処理、絶妙なバランス。
"Dial"はFreedommuneでNobuさんがかけていてショックを受けました。1拍2拍にしかキックがなくて、その裏に入ってくるビキビキしたシンセが凶悪です。使いどころが難しいけど、ミックスで遊べる(凝れる)こういう曲は好きですね。
"Steady Motion"は、オリジナルのレコードも、それに収録されているAdam Beyerのリミックスも家宝レベルで好きだったんですが、まさか2012年になって新しいリミックスが出るとは思いませんでした。しかもこれが原曲に負けず劣らず、抜群に重い低音が楽しめます。
下2曲は、gommaさんの2012年ベスト10と被っちゃいましたね。Ben Klockのリミックスのほうは硬いトラックに、しつこくない浮遊系パッドが良いです。Paul Macは往年のハードミニマル調をモダンなスタイルに取り込んだという意味で、いい仕事しましたね。
15分の短いミックスですが、そこそこよく録れたと思います。「Part C」というファイルに入っているようなので、年末年始にぜひ聴いてみてください。
年末のご挨拶
お仕事関連のご連絡です。
明日12月28日をもって、年内の営業は終了とさせていただきます。新年は7日(月)より通常営業いたします。
フリーランスという形態で働き始めて丸2年になりました。1年目と大きく変わったのは、取引先様や案件の種類が多様化し、より様々なケースに対応しなければならなくなった点です。正直なところ、これまでは前職繋がりで仕事をいただくことが多かったのですが、今年は独立してからのお客様とのコミュニケーションが格段に増えました。Webを通じた新規のお問い合わせも多かったです。
年間を通しての案件数は50件超、内訳としてはコーディング5割、デザイン2割、MTとCMSが2割、その他1割といったところです。iPhoneやAndroid向けのスマートフォン案件もいくつか担当させていただいて、少しずつですがノウハウが蓄積されてきました。変わったところでは、国産オープンソースCMS「SOY CMS」のプラグインを利用したECサイトの構築にも携わりました。このCMSはなかなか良くできていて、今後も提案する機会があると思います。
ありがたいことに、プッシュ営業をかけたり、案件マッチングサイトに登録する必要もなく、ほぼ途切れずに案件相談をいただいています。しかし一人で回している以上、スケジュールの都合でご期待に沿えないことも多く、今年は特に何度もお断りしてしまいました。
このあたり、信頼できる同業フリーランサーの方と連携して、どうにか横の繋がりを作っていけないかと考えています。あくまで、ゆるーいネットワークで。みんな幸せになれると思うんですよね。
そう、会社と違って、利益を追求することが本分ではないので、Webを通してみんなが幸せになれる方法を提案していくような仕事ができればとは、常に思っています。大企業などのスケールが大きい案件よりも、小さいところから大きい成果を生み出す仕事をしたいです。
仕事に関してもう一つ書いておくと、私はいわゆる自己啓発系の「意識が高い」人が大変苦手なんですが、今年はなんと言うか、「志が高い」人とお仕事をご一緒できる機会が何度もあって、嬉しかったです。これってまったく似て非なるもので、後者はふわふわと他者やトレンドの影響を受けたりせず、仕事に対して一本の筋が通っている。自分はこれを通じて世の中を良くするんだ、という技術と展望を持っているというか。私もそうありたいです。
さて、明けて1月の予定としては、後半より多少の空きがあります。1ページからのHTMLコーディング、デザインのほか、Movable Typeのテンプレート作成、ブログ、携帯サイト、SNS関連のご相談、また中長期にわたる運用案件など、Webサイトのことでお困りの際はぜひ。トップページ記載のメールアドレス宛てにお問い合わせください。
あまり更新できていませんが、直近の稼働状況は専用のTwitterアカウント(@epxstudiostatus)でもご案内しています。
2013年もどうぞよろしくお願いいたします。
2012年のテクノ
「テクノ」というトピックでは色々書いていますが、なにも私はシーンの動向とか流行だとかを論じるつもりはないのです。体験に基づく印象を書きとめているだけのことも多いし。ただ、そのごく個人的な偏った観測範囲においては、2012年というのは、比較的「昔の音」が戻ってきたなと感じる一年間でした。
様々な見かたがあるかと思いますが、90年代からのテクノらしいテクノは、2000年代の前半に飽和状態を迎えたハードテクノと共に縮小傾向に移り、04~05年くらいにはほとんどのメジャーなアーティストがミニマル/テックハウス的な音に転向しました。ここからの数年間は私にとっては本っ当に退屈な時代で、リリースは全然ピンと来ないし、パーティーでもそう。WIREみたいなフェスにおいても影響は顕著でした。
ここで言うテクノらしいテクノって、分かる人には必ず分かってもらえてると思うんだけど、改めて伝えようとすると定義しづらい。単にBPMとかってだけではなく、音の詰まり方とか重さ、高音の刻みかたに由来するグルーヴが全然違うんですよね。とにかく「あの」テクノじゃないと物足りない。
あと、ミニマルやテックハウスがダメって言うんじゃなくて、あまりにもその変化が右へ倣えだったので、興醒めしてしまったところもあると思います。え、今までの作品は明確なポリシーや表現したいものがあったわけじゃなくて、簡単に流行りで変えちゃうんだ、っていう。なので、あのとき日和ってスカスカな音に転向したアーティストに対しては、未だに恨みがましい思いはあります(誰とは言いませんが私はテクノの恨みは忘れません)。
ところが、去年くらいからじわじわと変化がありました。今年はそれが、あらゆる面で大きく実ったのではないかと思います。RegisやCari Lekebuschの過去作のリマスター&再評価もそうだし、ニュースクール・ハードミニマルと表現されたりもする高品位なBerghain系テクノの台頭もそうだし。なので、一介のテクノファンとしては、ここ10年くらいの間で最も充実した一年でした。
単に懐古趣味ではないなと思うのは、昔よりもずっと可能性を感じるんですよね。以前は確かに、バリエーションに「出尽くした感」のようなものがあって、閉塞的といってもいい状況でした。今はもっとDJもリスナーも視野が広がって、テクノに幅も深さもある。不遇の時代ではあったけれど、多様性を獲得したという意味では、ああいう経緯を経て現在に辿り着いたのは、結果的には良かったのかもしれません。
今年、良かったDJとライブアクトをいくつかピックアップしておきます。
2012年ベストDJ
- DVS1
- 何か月かの間に東京で3度もプレイして、全部聴きに行ったDJって初めてかも。紛うことなきテクノでした。何年もこの音を待っていた!
(AFTER FREEDOMMUNE +1@eleven) - Ben Sims
- ベテランの凄味を見せつけられました。いつも変わらずかっこいい。
(Torque feat. Ben Sims & Audio Injection) - Jesper Dahlbäck
- 短いセットでしたが深いDJでした。elevenとかでロングセット聴きたい。
(WIRE12) - Mike Parker
- ついこの前。作っている音そのまんまの、呪術系テクノでした。
(Vault feat. Mike Parker)
2012年ベストライブ
- Abe Duque
- 衝撃のライブでした。テクノのソロ・ライブの完成形を見た。
(Abe Duque@Galaxy) - Neil Landstrumm
- ずっと昔からの個性を貫いていて感動しました。
(FIERCESOUNDS feat. Neil Landstrumm)
年越しイベント出演のお知らせ
お世話になっている早稲田「茶箱」さんの、年越しカウントダウン・パーティーにお誘いいただきました。今年結構力を入れた、ハードウェア機材ライブセットでの出演です。詳しくはこちらのページで。
茶箱年越しカウントダウン・パーティー |クラブ|音楽喫茶 茶箱 sabaco music&cafe
http://club.sabaco.jp/e/1180/
来年でちょうどオープンから丸10周年を迎えられるとのことで、強力なラインナップによる年越しパーティーになりそうです。ライブ勢はカウントダウン後とのことなので、実質的には2013年最初のライブになりますね。また、秋のアルバムリリース後、初のライブでもあるので、CDのほうも何枚か持って行こうと思います。声をかけていただければ。
茶箱で年越しを迎えるのは3年ぶりになりますが、すぐ近くの穴八幡宮へ初詣がおすすめです。楽しみ!
小林道夫 チェンバロ演奏会
土曜日、千駄ヶ谷の津田ホールで、チェンバロ小林道夫さんによるゴルトベルク変奏曲を聴いてきました。年末の演奏会は氏が70年代から続けているライフワークで、既に40回を超えているそう。以前から興味はあって、念願叶っての初鑑賞となりました。小林先生のコンサートは2009年のLFJ以来。
演奏は、淡々と譜面に忠実に。これまで、チェンバロでは曽根麻矢子さんや西山まりえさんの演奏を生で聴いたけれど、そのどれとも異なる「真摯」な音。
来年にも御年80歳を迎えられる小林さんは、若い人とは違って速いパッセージでは多少の乱れもあって、けれどテクニック云々では言い表せない円熟した渋みが感じられて、痺れた。何より、背筋を伸ばして悠々と第13変奏や第25変奏のような深い曲を弾くカッコ良さ!特に、後者は2回目のリピートでバフ・ストップ(リュート・ストップ)に変えていたのが印象的でした。
大好きなクオドリベットは力強く、アリア・ダ・カーポは繊細にまとめていて、余韻が素晴らしかったです。アンコールは平均律で、余韻を乱されることなくきれいに終わりました。これは、さすがの良いコンサートでしたね。
お誘いした先輩の杉山さんにも、あまり触れる機会のないチェンバロの音を気に入ってもらえて良かったです。近くのルノアールでひとしきり談笑のあと、新宿の中村屋本店でカレーを。
小林道夫 チェンバロ演奏会
―クリスマスをバッハの名曲で静かに過ごす―
2012年12月22日(土)14:00@津田ホール
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
主題
第1変奏~第15変奏
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第16変奏~第30変奏
主題復帰
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アンコール
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻
第1曲ハ長調 BWV846より「プレリュード」
Vault feat. Mike Parker
金曜夜、久しぶりにUnitに行ってきました。DJ Nobuさんのレーベル「Bitta」と台北のクルーによるコラボパーティー「Vault」の初回。ゲストにMike Parkerほか。
個人的に、2012年はテクノにおいていろいろな発見があったけれど、とりわけMike Parkerの音との出会いは収穫でした。そのあたりのことは、7月にもブログに書いた通り(「Mike Parkerとハードウェア・テクノ」)。次に来日するなら絶対行こうと決めていて、意外に早くそれが叶う機会が巡ってきました。そもそも、Nobuさんはかなり昔から彼の曲やレーベルGeophoneのレコードをプレイされていたみたいですね。
1時ごろ着いたら台北のDJ、Diskonnectedがプレイ中。いきなりの硬いテクノ。繋ぎはいまひとつだったけど、選曲が良くて何度か持って行かれそうになりました。VJがなく、フロアが暗いのがハマっていて、風邪気味で体調はベストとは言えなかったものの、この時点でスイッチ入りました。来て良かったなと。
続く2人組ユニットLadaのライブも、音は良かった。機材は角度的にまったく見えなかったけれど、何を使っていたんだろう。DJブースの横に、ライブ機材だけを並べたブースを作っていて、そこで男女が並んでって感じで。展開があまり良くなくて、スタイルが多彩なだけに、上げるのか下げるのかはっきりしない感じで少々とっ散らかった印象を受けてしまった。トラックは興味あるので、あとでチェックしてみようかなと思いました。
2時半から5時半まで、Mike Parkerの3時間セット。超良かった!ディープな展開になるかと思いきや、序盤から結構がしがし上げていた。BPMも終始130を超えていたような。ズシンとくる太い4つ打ちに、覚醒系シンセのポリリズミックなシーケンスが重なる、彼らしいスタイルを貫いていました。声ネタや生音系サンプルがほとんどない曲ばかりなのに、どこか有機的というか生物的というか、アナログの生々しさが。
Geophoneには非4つ打ちのディープめな曲もあるけど、ストレートな4つ打ちの間に、アクセントとして挟んでくるような使いかたをしていました。ロングミックスではなく、次々繋いで全体として流れを作る、昔ながらのハードミニマル系のミックス。意識したことなかったけど、流れの中で使うと"Subterranean Liquid"は思いっきりハードミニマルですね。
昼間の用事のため、次のNobuさんまでは居られず5時過ぎには外へ。自分としてはかなりツボに入る熱いパーティーでした。今年のベスト3には入る感じで。
フランチェスコ・トリスターノ『Long Walk』
先月の話ですが、秋にDeutsche Grammophonからリリースされた新譜、日本盤のリリースを待たずに海外盤を買ってしまいました。今回の作品は、ブクステフーデ、バッハ、自作という取り合わせ。震災後の日本でレコーディングしたという情報が出始めた当初から、ずっと気になっていました。
トリスターノさんの記事は、ブログの「クラシック」カテゴリーで、ステマかってくらいたくさん書いていますので、よかったら読んでみてください。コンサートホールとクラブの両方において、バロック音楽と現代音楽とテクノをまったく同列に弾いている、変わったピアニストです。
さて、タイトルの『Long Walk』は、収録された同名の自作曲の表題と同じものですが、これが何を意味しているかというと、J.S.バッハの有名な逸話からだそうで。1705年、ドイツはアルンシュタットの教会オルガニストだった20歳の青年バッハは、著名な老オルガン奏者ディートリヒ・ブクステフーデの演奏を聴きに行くために、はるばる400kmの道のりを旅しています。徒歩で!しかも、行った先のリューベックでブクステフーデの音楽にハマってしまい、4週間の休暇を無断で4ヶ月に延長してしまったという話(当然帰ってからえらい人に怒られてケンカして、結果としてアルンシュタットを去る)。
この経験が、後のバッハの作品に大きく影響したというのもまた、よく知られているところです。
例えば、今日メジャーになった鍵盤楽曲のいわゆる『ゴルトベルク変奏曲』(BWV988)は、ブクステフーデの『アリア「ラ・カプリッチョーサ」と32の変奏曲』(BuxWV250)を参考にしたもので、いずれも主題がト長調。実際に聴いてみると、本当にゴルトベルクの冒頭の低音主題だけを取り出して、延々と繰り返しているような曲です。これは、トリスターノ本人が下記の動画のなかで実演しているので、見ていただくとすごく分かりやすいんじゃないかなと(2分30秒くらいから)。
両曲とも、一定の主題に基づく変奏が32回繰り返されるという作品ですが(ゴルトベルクは同主題のアリア2回+30変奏)、ライナーの解説によれば、ブクステフーデの方の作品はさらに厳密には「同じループをノンストップで128回繰り返す」というものです。これはミニマル・ミュージックそのものですよ。300年前の。
これに限らず、ブクステフーデの作品を辿っていくと、バッハを思わせる偏執的にタイトなフーガ作品や、一方で今でも古さを感じさせないモダンなメロディーが所々に現れます。私も、しばらく前から興味があって聴いていて、初めて買ったチェンバロのスキップ・センペによるソナタ集のほか、最近出たユングヘーネルによる宗教カンタータ集の廉価盤を聴いています。オルガン作品も聴いてみたいんですけどね。
話は逸れましたが、トリスターノの本作、前述の通り日本でレコーディングされたもので、ヤマハCFXを用いて京都で録音したとのこと。前作と違い、エンジニアのクレジットにモーリッツ・フォン・オズワルドの名前こそないものの、打鍵時に指の腹が鍵盤に当たる音まで聞こえる、特徴的なサウンドになっていました。
面白いことに、『アリア「ラ・カプリッチョーサ」と32の変奏曲』全曲から、次のゴルトベルクの第30変奏(クオドリベット)の繋ぎは、まさにDJミックスと言えるもので、彼のコンサートでの演目と同じように、完全にシームレスに繋いでいます。そこから、ピアノとエレクトロニクスによる自作の表題曲、そして再びゴルトベルクからのアリア。やっぱり、DJミックスなんですよ、これ。
そういえば、私は過去、実際にDJのときにクラブでプレイしたクラシックの曲というのが2曲だけあって、ひとつが2010年4月、自分が30歳になったときに企画したパーティーのなかでかけたゴルトベルクの第30変奏、もうひとつが同じ年のパーティーで冒頭にかけたブクステフーデのシャコンヌ(BuxWV160)なんですが、この2曲ともが『Long Walk』に収録されていてびっくりしました。どちらもトリスターノのことが念頭にあったわけではなく、まったくの偶然。こんなことがあるのかと思いました。
そうそう、CDの前半のトッカータやカンツォーナもすごく良くて、それこそ緻密に構成されたミニマリズムを楽しめます。カンツォーナ(BuxWV168)は、フーガの各声部を3人のトリスターノで表現したPVもおもしろいですね(もちろん、実際には多重録音でもなんでもなく、1段の鍵盤で弾いているわけですが)。
海外盤のラストは、自作のシャコンヌ『Ground Bass』です。これは去年の津田ホールでの映像がYouTubeで丸々公開されているので、興味のあるかたはぜひ。暗闇で瞑想するような序盤から、おもむろに立ち上がって内部奏法でリズムを浮き上がらせ、ラストはデトロイトテクノを連想させる反復と拡大。
今作については、ディリゲントさんのこちらの紹介記事も読みごたえがあるので、併せてどうぞ。
フランチェスコ・トリスターノについて2:新譜『LONG WALK』 | FUN | Dirigent
https://www.dirigent.jp/fun/menu/fan/Francesco-Tristano-2.html
ブログをリデザインしました
2年ぶりに、全面的にデザインを見直してみました。といっても、半ば思いつきでデザインに1日、コーディング・MT実装に1日という、あまりよろしくないワークフローでしたが。ただ、何かと後回しになりがちな案件だけに、短期間で片付いて良かったです。
以前のものは、お気づきの方もいたかと思いますが、上のほうにリンク先のないメニューがいっぱい並んでいました。これは、公開予定だった(お仕事の)本サイトとの統合を前提としたもので、当初としては理に適った設計だったのですが、もにょもにょ。まあ、いろいろあって手付かずのこの2年間に、サイトとして最適な形が変わってしまいました。今回のリデザインは、それに合わせたものを制作したつもりです。
大きいところでは、CSSのメディアクエリを利用して、ざっくりとスマートフォンに対応しました。いわゆるレスポンシブですね。あまり厳密に設計しているわけではないので、なんちゃってな出来ではありますが、様々なデバイスにおいて、少なくとも以前よりは読みやすくなったと思います。
表示レイアウトは、何となくスマートフォンとタブレットとPCを想定しています。ブレークポイントは、480pxと1000pxに設定しました。後者は特に理由はなく、PC用の幅をベタに960px固定でデザインしたので、余白を考慮するとという感じで。iPadやNexus 7では、ほぼ意図した通りの表示を確認しました。
ビジュアルデザインにおいては、以前とさほどイメージは変えず、全体的に「いま風」にブラッシュアップしたつもりです。立体表現を抑えてフラットに、角丸の径は小さめに、シンプルなアイコンを使って、というような点で。
角丸っていえば、border-radiusのベンダープリフィックス(-webkitみたいなの)やIE用のJSを全部取っ払ってしまいました。実際の案件ではまだここまではしていないので、ある意味気分爽快でした。
あとは、フォントをメイリオにした点と、ソーシャル共有系のボタンの整理、などなどですね。
このブログは、トピックがものすごく偏っていて、そのくせWeb系のお役立ちネタみたいなのはまったくないし、一方で広告やアフィリエイトの類も(ほとんど)ありません。それだけに、特に音楽などに関するニッチな話題について、興味がある人にこそ快適に読んでほしいという思いはあります。公開している過去ログを合わせると2002年から、ブログという形式では2006年から、マイペースで続けています。今後とも、どうぞよろしく。
ロックマン3のVRC6カバーがすごい
先日、何気なく巡回していたらこんなリリースを発見。
Mega Man 3 Remade | RushJet1
http://rushjet1.bandcamp.com/album/mega-man-3-remade
USのチップチューン作家「RushJet1」氏が、ファミコンの『ロックマン3(Mega Man 3)』のほぼ全曲をカバーしたアルバムをBandcampで発表していました。しかも、コナミの拡張音源VRC6風サウンドによるステレオ・アレンジ。
これだけでも半端なく手が込んだ作品であることは想像がつくのですが、さらに、効果音はそのままに音楽だけを新しいアレンジに差し替えた、1時間にわたるプレイ動画も自作していました。この完成度!
『ロックマン』はこの12月でシリーズ25周年ということで、本家でもいろいろと記念作品が出ていますが、久しぶりに海外発の同人作品で感動しました。Bandcampのほうのアルバムは基本フリーダウンロードで、任意でいくらか決済にプラスできる投げ銭制になっていて、私も10ドルだけ寄付しました。
昔は、海外ファンによる耳コピMIDIってところどころ音が外れてたり、割といい加減なのが多いイメージだった。私も別にチップチューン詳しくないんだけど、もともとこのRushJet1というアーティストは、去年ブログの記事で取り上げたJ.S.バッハの平均律の8ビットアレンジで知って、YouTubeチャンネルを追いかけていたんですよね。これがまた思い切ったコナミ風アレンジで熱い。
『ロックマン3』のゲーム自体に関しては、実は私は全然思い入れがなくて、むしろ新鮮に楽しんでいます。なので、どれくらい原曲に忠実かとかは抜きにして、単純に完成度高いなと。やっぱ同人は、暑苦しいくらい熱意が伝わってくる作品ほど好きになってしまうな。