11年間探したレコードとの出会い
先日、こんなことがありまして。
11年間判らなかった曲名がツイート投稿後、約7分であっさり解決 - Togetter
http://togetter.com/li/391720
以前から気になっていたタイトル不明のテクノの曲を、誰か教えてくれるかなとTumblrに放流したのが4年前。先月、たまたま思い出してこのポストについてツイートしてみたら、捕捉してくださった方から、そのものズバリのタイトルを教えていただくことができました。それが、このEPのA1に収録されている"The Draughtsman"という曲。
Hardcell - Shaded Gradients EP (Vinyl) at Discogs
http://www.discogs.com/Hardcell-Shaded-Gradients-EP/release/40744
そもそもはこの曲、2001年9月22日深夜にJ-WAVEで放送された「Free Form」というDJミックス番組の中で、Mayuriさんがプレイしていたものです。当時私は、この番組の予告で気になるDJが出る回は欠かさずエアチェックしていて、Tumblrにアップした音源の一部も、その時の録音からです。
この日のオンエア、まずラインナップがすごくて、卓球さん、Wadaさん、Mayuriさんが50分ずつの計150分、3時半から朝6時までのノンストップミックス、しかも番組のために録音されたと思われるエクスクルーシブなセットでした。しかも、当時のJ-WAVEは、こういった番組も含めてWebサイトでトラックリストを公開していて、この時のMayuriさんのセットは次のようなものでした。
- Diego /The Child Within [Kanzleramt]
- The Advent /Stand Firm [Kombination Research]
- Hardcell /Erector [Skunkworks]
- Adam Beyer /Spies [H.Productions]
- Rino Cerrone /Symmetric [Zenit]
- Redhead /The Old Light House [Zync]
- Adam Beyer /Safety Session [Drumcode]
- Adam Beyer /The Time [Drumcode]
- Space DJz /Work That [Primal Rhythms]
- Umek & Valentino Kanzyani /Recyclopaedia [Recycled Loops]
- Chester Beatty /Turia [Disq]
- DJ Shufflemaster /Gaylang [Subvoice]
- Henrik B /Recollections B1 [Drumcode]
- The Advent /Cronik [Tresor]
- Thomas Krome /Shockabuku [Corb]
バキバキでしょ。ハードミニマル黄金期って感じですね。
この音源が好きで、もう何度も繰り返し聴いたんですが、次第にどうもこの3曲目と4曲目の間に、何かもう1曲違う曲があることに気がつきました。しかもこの曲が、ヤバい!それがさっきのです。音数が多く重厚な低音部に、アップリフティングなシンセリフと、浮遊感のあるパッドの掛け合いが延々と重なる。うわー、何だこれっていう。
同じ時期に、別のところでもこの曲を耳にしました。2001年のMETAMORPHOSEに来日した、Cari Lekebuschのセットでのこと。私は遊びに行けなかったんですが、実はこの年は(音声のみ?)ネット中継がありました。そのときは、カリは後半のほうでかけていました。
当時、私は既にDJを始めていましたが、そんなに毎週クラブに通っていたわけではないので(むしろ今のほうが確実に行ってる)、流行っていたのか、どれくらいメジャーな曲なのかどうかも知らないまま、何年も経ってしまいました。
ただ、レコードが増えていく中で、この「謎の曲」はほぼ間違いなく、スウェーデンのHardcellの作品だと確信するようになりました。短いループにむちゃくちゃ個性が出てるし、他にこの音を作れる人がまったく思い当らないんですよね。
そこで、彼のレーベルSkunkworksにターゲットを絞って、探していきました。他に、Johan BactoのDiode Music絡みのレーベルからもたくさんリリースしているので、その周辺も。そうでなくても、スウェーデン関連のハードミニマルは端から集めていたので、いつかは出会えるかと思っていたのですが、一向にぶつからずさらに数年。
ついにギブアップして、ブログでも何度か言及してきたものの、それでも手がかりなし。
というわけで、ちゃんと正解が出たのは今回が初めてです。01年からだから、なんと11年越し!
このAMCというレーベルは、90年代から暗躍してきたドイツのAndrew RichleyとRyan Riveraによるレーベルで、もろスウェーデン系のイメージからは外れていたため、見逃していたようです。件のリリースは10番。4番が好きでけっこう使っていたり、11番とかは持っているだけに、ニアミスが悔やまれます。
で、ここからの展開がすごいのですが。
Togetterにまとめていただいた@jun_yaさん経由だと思われるのですが、ある日、この曲に出会ったきっかけであるMayuriさんご本人から連絡をいただきました。なんと、このレコードを譲ってくださるとのこと!
そして今日、届きました。
こんなことってあるんですね。早速、眠っていたタンテを引っぱり出して、聴いてみました。
何年ぶりかで、レコードに針を落として数秒間の、あのわくわくを体感しました。
まさに、この曲!
ツイートをRTしてくれた皆さま、曲名の情報をいただいたMorinobearさん、まとめていただいたJuNyaさん、そして何よりDJ Mayuriさん、どうもありがとうございました。
このレコード、これから大切に使いたいと思います。