12月8日「Relics」@茶箱に出演します
告知です。特にダーク&インダストリアルな地下テクノ周辺で暗躍する、DJのREC-ing Crewさん主催の「Relics」というパーティーに呼んでいただきました。来月8日の土曜日夕方、場所は早稲田の茶箱さんです。
共演は元Persistence、最近ではGo Hiyamaさん、Ryuji Takeuchiさん、Kazuya Kawakamiくんとのプロジェクト「HueHelix」でもお馴染みの山形のTomohiko Sagaeさん、国内屈指の独立系電子音楽レーベルを育て上げた「AN/AY」のKatsuyuki Taguchiさん、それに先日M3で初めてご紹介いただいた実力派DJ Masayoshi Muroさんです。
流行に媚びない、硬派なテクノが楽しめるのは間違いないので、そういった音に興味のあるかたはぜひ。私もこの日はストレートなテクノだけをプレイします。イベントの詳細はFacebookページやTwitterアカウントなどでチェックしてみてください。
告知だけなのもあれなので、最近好きなテクノを。
スペインのKwartzが良いです。上のトラックはCicuta Netlabelからリリースされた最新のフリーEPから。シンプルな構成ながら、この重さとドライブ感。このレーベル自体もスペイン発で、以前からちょくちょくチェックはしていたのですが、これは個人的ヒットでした。
あとConrad Van Orton (Beatport)にハマってます。最近知ったので、リリースを遡って聴いているわけですが、ほぼ全曲ツボという。ちょうどBPのクーポンのタイミングに重なったため、あらかた揃えることになりそうです。遅くてもハウスっぽくなくて、あくまで縦ノリなのが好きなんだな。
Prologueから出たDino Sabatiniのアルバムを買いました。これはもう、ジャンルとしては「ダイビング」ですね。潜りましょう。
Shaman's Paths [Prologue] :: Beatport
http://www.beatport.com/release/shamans-paths/991183
アフリカあたりのトライバルなシャーマニズムを取り入れた作品とのことで、どうしても10年前のOliver Hoの名作"Universal"(とそれに至る一連のトライバル系ミニマル作品)を連想してしまうわけで。進化/深化したなぁ、という印象です。
最近のあれこれ
おかげさまで忙しくしていて、ブログネタが溜まってます。私にとっては備忘録的な意味合いもあるので、あった出来事はすぐに書くようにしたいのですが。
上の写真の通り、第5世代iPod touchを買いました。愛用していた第3世代touchがiOSアップデートから外されてしまったのと、仕事の検証用にRetina端末が必要なので、渋々。ここのところガジェット買いすぎですね。
あまり迷うこともなく、容量の同じ32GBの青にしました。何日かリサーチして、わりと品切れのところも多かったのですが、たまたま立ち寄った川崎のビックカメラに再入荷していたもので。使い勝手はさして変わらないものの、明らかにレスポンスが向上していて快適です(以前のものでは、ロック解除に数秒かかることもあった)。Retinaは確かに美しいし、カメラが付いているのが嬉しいです。なんだかんだでテンション上がります。
にわかにプチ温泉ブーム、という話。
先々週末、仕事が立て込んでいたため気分転換がしたくなり、地元のセンター南の「スパ ガーディッシュ」に初めて行ってきました。「minamo」というショッピングモールの3階に入っている施設で、スポーツクラブが併設されているスーパー銭湯。今ふうに小奇麗なわりに、かけ流しの天然温泉が本格的で、なかなか寛げました。ちょっと消毒の塩素の匂い?が気になったのと、金曜の夜で比較的混んでいたのが残念。次は空いているときを狙ってまた行きたいです。
さらに、先週末は南武線は矢向の「志楽の湯」へ行ってきました。こちらは先輩の杉山さんのお誘いで。ここがまた素晴らしい施設で、住宅地の真ん中にありながら、いかにもな人工っぽさを排した自然なテイストの温泉でした。特徴的なのは、太古の海水の溶け込んだ「濃い」泉質。暗くなってくるとすごく静かで、露天にいても遠くの温泉地がごとく落ち着けました。料金もいわゆるレジャー寄りのスーパー銭湯と比べて格安だし、いい所!
3DSの『どうぶつの森』。
過去作でそんなにハマったってわけでもないので、今回はスルーするつもりでしたが、Nintendo Directでの岩田社長のプレゼンが良くて気になりはじめ、結局発売日にダウンロード購入してしまいました。できることはそんなに変わらないのですが、単純にボリュームが増えているのと、通信関連の機能が面白そうです。フレンドコードは「2664-2064-5297」なので、よかったら何かしらで教えてください。
そういえば、先日機種変したMotorolaのAndroid端末、Razr MことSoftBank 201Mは、特に問題なく快適に使えています。使って分かったのは、けっこう電池に余裕があること。デフォルトの設定で長時間の通話を挟んだり、ちょいちょいSNSをチェックしていても楽勝で丸1日はいける感じ。時々3Gを見失っているっぽいのが気になるけど、どうなのかな。あと一旦ターミナル駅とかで4Gを掴むと、爆速でWebサイトが閲覧できて驚きます。
昨日リリースされたAmazon Cloud PlayerのAndroid版も普通に利用できました。以前、ひとつだけアルバムをAmazon mp3で購入したことがあったのでテスト。初期状態ではクラウドに登録されていなかったため、ブラウザの購入履歴から入って登録する操作が必要でした。ストリーミングもダウンロード再生も可。積極的に使いそうなサービスではないけれど、便利かもねっていう。
あとは、来週Kindle Paperwhiteが来るので、Kindle書籍を購入したいと思っているのですが、まだまだコンテンツが少ない...。旅行記や紀行文、世界史系、音楽系の本は全然ないです。むしろもう価格はいいから、とりあえず読みたいと思える本を置いていてほしいなぁ。
リアル書店で最近感動したのが、前述の志楽の湯に行ったときに見つけた、矢向の書店「青馬堂」さん。一見なんでもない街の本屋かなと思いきや、2Fのコミックフロアの充実度、陳列やPOPのこだわりが素晴らしくて、マンガ愛が滲み出ていました。ああいう店舗にはぜひKindleとかに負けないで、生き残ってほしいです。
マンガといえば、週末はコミティアですね。私は、今回もサークル参加はお休みします。活動としては来年2月から仕切り直しということで(M3もあったしね)。いまのところ遊びに行く予定ではあるので、楽しみにしています。
Torque feat. Ben Sims & Audio Injection
金曜日、先月始まったマンスリーのテクノパーティー「Torque」の2回目に遊びに行ってきました。今回のゲストはBen Simsと、初来日となるTruncateことAudio Injection。ハコはeleven...ではなくAirでした。
Airも個人的にはずいぶん久しぶりで、いつ以来かなと思ってログを遡ったところ、4年半前のReboot10周年が最後でした。そういえば今回のTorque、日程がまんまRebootと被ってしまったのは残念だったかな。
1時ごろ、迷彩の短いパフォーマンスのあとにAudio Injectionスタート。BPMは130超えないくらいの感じでしたが、完全に縦ノリのテクノでした。それでも音的には幅広く、わりと横断的にころころカラーが変わるスタイルで、思っていたほどストイックなノリではなかったです。
今年の夏は、彼のTruncate名義の活動を知ったことが収穫でした。オールドスクールな、生々しいテクノの良さが詰まっていて最高です。こういう音がフロアに戻ってくる時代になって本当にわくわくしています。
Truncate
http://truncate.bandcamp.com/
このプロジェクトは、2010年に彼がBerghainでプレイしたことにインスピレーションを受けて始まったとのこと。特に、FREEDOMMUNE 0でNobuさんがかけたTruncate 5番のDialは衝撃でした。これだけアナログくさい空気感を出しているのに、インタビューによるとソフトウェアだけで作っているそうです(Truncate Interview | Ear to Ground)。
で、DJでもこういったトラックをガンガン投下していて良かったんですが、正直、2時半からプレイしたBen Simsが凄すぎて霞んでしまいました。前回の6月の来日のときは行けなくて、あとからSoundCloudで録音を聴いていただけに。もう、ブレないところが最高にかっこ良かったです。
それに、去年アルバムが出てから、いろんなDJが"I Wanna Go Back"をかけるのを聴いたけど、本家が使うと説得力が違った。つまりこのテンションに至るまでの過程があって、そこまで含めてのセットだから、ただ前と後の曲が合ってればいいってわけじゃない。これが彼のプレイでは徹底されていた。前述のTruncateのDialや、WorkのSteve Rachmadリミックス、Green VelvetのFlashのAdventリミックスも交えつつ、本当に上げ下げの説得力(と表現するしかない)が素晴らしかったです。
4時半過ぎまでの、おそらく2時間のセット。ずっと踊った。
今年は、とにかく90年代後半~02年くらいまでのテクノとかハードミニマルの音が「戻ってきた」と感じる機会が多いです。前回・今回のTorqueというパーティーもその好例でした。昔に比べて、130BPM前後と決して速くはないんだけど、ハードさとBPMの速さはまったく同義ではないしね。それよりむしろ重さ、音の詰まりかた、音の選びかた、裏拍の刻みかたとかなのかな。いわゆるミニマル、テックハウスとは、気持ちよさが根本的に違うんですよ。
でいて、懐古主義ということでもなく、アップデートされている感じもある。より懐深くなったというか。ゴリゴリだけの時代は、たしかに閉塞感のようなものもあって、それであのムーブメントは一度終わってしまったのだと(勝手に)考えているのですが、今回は価値基準や評価軸が様々なベクトルに拡張されていて、何が出てくるか分からない楽しみがあります。後々になって、2012年はテクノ復権の年と言われるようになるのかも。
それはともかく、フロアの雰囲気もとても良いパーティーでした。来月はなんと、Alexander KowalskiのライブにAlan Fitzpatrickだとか。ただ、その日(12/21)はUnitでMike Parker(RA: Bitta and Smoke Machine present Vault at Unit, Tokyo)があって、そっちに行く可能性大です。できたらハシゴしようかな。
11年間探したレコードとの出会い
先日、こんなことがありまして。
11年間判らなかった曲名がツイート投稿後、約7分であっさり解決 - Togetter
http://togetter.com/li/391720
以前から気になっていたタイトル不明のテクノの曲を、誰か教えてくれるかなとTumblrに放流したのが4年前。先月、たまたま思い出してこのポストについてツイートしてみたら、捕捉してくださった方から、そのものズバリのタイトルを教えていただくことができました。それが、このEPのA1に収録されている"The Draughtsman"という曲。
Hardcell - Shaded Gradients EP (Vinyl) at Discogs
http://www.discogs.com/Hardcell-Shaded-Gradients-EP/release/40744
そもそもはこの曲、2001年9月22日深夜にJ-WAVEで放送された「Free Form」というDJミックス番組の中で、Mayuriさんがプレイしていたものです。当時私は、この番組の予告で気になるDJが出る回は欠かさずエアチェックしていて、Tumblrにアップした音源の一部も、その時の録音からです。
この日のオンエア、まずラインナップがすごくて、卓球さん、Wadaさん、Mayuriさんが50分ずつの計150分、3時半から朝6時までのノンストップミックス、しかも番組のために録音されたと思われるエクスクルーシブなセットでした。しかも、当時のJ-WAVEは、こういった番組も含めてWebサイトでトラックリストを公開していて、この時のMayuriさんのセットは次のようなものでした。
- Diego /The Child Within [Kanzleramt]
- The Advent /Stand Firm [Kombination Research]
- Hardcell /Erector [Skunkworks]
- Adam Beyer /Spies [H.Productions]
- Rino Cerrone /Symmetric [Zenit]
- Redhead /The Old Light House [Zync]
- Adam Beyer /Safety Session [Drumcode]
- Adam Beyer /The Time [Drumcode]
- Space DJz /Work That [Primal Rhythms]
- Umek & Valentino Kanzyani /Recyclopaedia [Recycled Loops]
- Chester Beatty /Turia [Disq]
- DJ Shufflemaster /Gaylang [Subvoice]
- Henrik B /Recollections B1 [Drumcode]
- The Advent /Cronik [Tresor]
- Thomas Krome /Shockabuku [Corb]
バキバキでしょ。ハードミニマル黄金期って感じですね。
この音源が好きで、もう何度も繰り返し聴いたんですが、次第にどうもこの3曲目と4曲目の間に、何かもう1曲違う曲があることに気がつきました。しかもこの曲が、ヤバい!それがさっきのです。音数が多く重厚な低音部に、アップリフティングなシンセリフと、浮遊感のあるパッドの掛け合いが延々と重なる。うわー、何だこれっていう。
同じ時期に、別のところでもこの曲を耳にしました。2001年のMETAMORPHOSEに来日した、Cari Lekebuschのセットでのこと。私は遊びに行けなかったんですが、実はこの年は(音声のみ?)ネット中継がありました。そのときは、カリは後半のほうでかけていました。
当時、私は既にDJを始めていましたが、そんなに毎週クラブに通っていたわけではないので(むしろ今のほうが確実に行ってる)、流行っていたのか、どれくらいメジャーな曲なのかどうかも知らないまま、何年も経ってしまいました。
ただ、レコードが増えていく中で、この「謎の曲」はほぼ間違いなく、スウェーデンのHardcellの作品だと確信するようになりました。短いループにむちゃくちゃ個性が出てるし、他にこの音を作れる人がまったく思い当らないんですよね。
そこで、彼のレーベルSkunkworksにターゲットを絞って、探していきました。他に、Johan BactoのDiode Music絡みのレーベルからもたくさんリリースしているので、その周辺も。そうでなくても、スウェーデン関連のハードミニマルは端から集めていたので、いつかは出会えるかと思っていたのですが、一向にぶつからずさらに数年。
ついにギブアップして、ブログでも何度か言及してきたものの、それでも手がかりなし。
というわけで、ちゃんと正解が出たのは今回が初めてです。01年からだから、なんと11年越し!
このAMCというレーベルは、90年代から暗躍してきたドイツのAndrew RichleyとRyan Riveraによるレーベルで、もろスウェーデン系のイメージからは外れていたため、見逃していたようです。件のリリースは10番。4番が好きでけっこう使っていたり、11番とかは持っているだけに、ニアミスが悔やまれます。
で、ここからの展開がすごいのですが。
Togetterにまとめていただいた@jun_yaさん経由だと思われるのですが、ある日、この曲に出会ったきっかけであるMayuriさんご本人から連絡をいただきました。なんと、このレコードを譲ってくださるとのこと!
そして今日、届きました。
こんなことってあるんですね。早速、眠っていたタンテを引っぱり出して、聴いてみました。
何年ぶりかで、レコードに針を落として数秒間の、あのわくわくを体感しました。
まさに、この曲!
ツイートをRTしてくれた皆さま、曲名の情報をいただいたMorinobearさん、まとめていただいたJuNyaさん、そして何よりDJ Mayuriさん、どうもありがとうございました。
このレコード、これから大切に使いたいと思います。