Galaxy 銀河系に行ってきた
神宮前に7月オープンした「Galaxy 銀河系」に行ってきたのでメモ。オープン前から話題にはなっていて、何しろ公式にはクラブではないとはいえ、各地で受難続きのこのご時世に新規開店というのと、"Experiment"と銘打って毎週ブッキングされている外タレDJのラインナップが、絶妙に渋い。オープン初日のGene Huntと、3回目のKirk Degiorgioに行ってきました。
概要はCuepointというウェブマガジンの記事にまとまっているのでチェックしてほしいのですが、あくまで専業のクラブではなく、アート系のイベントスペースという方針のようです。そのためか、今のところ毎週金曜日のみ、終電までの営業で、オールはなし。入場料も比較的手ごろで2,000円から。個人的に何よりうれしいのが「フロア内完全禁煙」という点で、クラブというかバーを備えたDJスペースとしては、かなり画期的な取り組みだと思うんですが。喫煙者に恨みはないけれども、昔から体質的に煙がNGなので、これはもう大賛成ですね。
場所は、渋谷から歩いてもさほど遠くなく、せいぜい10分程度。東口からだと、明治通りの3つめの歩道橋を右に折れてすぐです。入ると、初日はまだがらんとして何もなく、倉庫のような雰囲気。手前がバースペースで奥にフロア、その先にブース。音は残響が激しく、低音の鳴りもビリビリ来るほどではなくて、それこそ手作りのウェアハウスパーティーな感じ。スピーカーはDynacordでした。
Gonnoさんが緩めのテクノから徐々に上げて行って、Gene Hunt登場。この人はわりとシカゴ発のプロダクションよりも、Cari LekebuschのHybridからリリースしていた人として印象に残っていて、最近リマスターが出たカリとの共作"Pain In My Mind"をよく使っています。本人はシカゴ丸出しの出で立ちで、でもなんか気さくにサインに応じたり、良い人オーラ出てました。プレイを始めるなり、既にミキサーが真っ赤なのにつかつかPA卓に寄って行って、勝手にぐいっとレベル上げてるのがアホすぎて笑った。おかげで割れまくりだし高音痛いし、でも一気にシカゴの音になっているのを聴いて、このラフさをひっくるめたカルチャーなんだなと思いました。セット自体は、がつがつしたシカゴというよりは、割とまったりしたオールドスクールなハウスが中心でしたが、楽しかったです。
2週目のゲストはダブテクノの若手アーティスト、ロシアのAnton Mayerでこれには行けず、3週目のKirk Degiorgioで再びGalaxyへ。Kirkは最近Ben Simsと組んでMachineというテクノ・オンリー・パーティーのキュレーターをやっていて、今年は同名のレーベルもスタートしたそう。方向性というか、テクノにおいて指向しているものが最近のBody Informでの自分の考えに近く、どんなプレイなのか興味を持っていました。
ちなみにこれはそのMachineのパーティー告知ムービーなんですが、テクノのエッセンスを詰め込んだ超あがる編集になっているので、ぜひ見てみてください。こんなパーティー行ってみたい!
この日のGalaxyは、がらんとしていた初日とはうって変わって、照明からブース周り、椅子やテーブルに至るまで内装が進化していて、さらに良くなっていました。心なしか音のバランスも良くなったような?Kirk Degiorgioは、フタを開けたら130bpmオーバーのごりごりのハードグルーヴ・セットで踊らされました。硬い、重い、キックの裏が鋭い!少し前にタカアキイトウさんもTwitterで触れていたけど、ミニマルやハウスノリに浸食されていたここ10年くらいのテクノの空白って、一体何だったんだろうっていう。続ける人は続けていたし、戻ってきた人もいっぱいいるんだろうけど、ようやく暗黒時代が終わる。bpmこそ遅くなったものの、これこそがテクノだと思わせてくれる力強いプレイでした。ハマった。
ところで、KirkはMacとAkaiのAPC40を使っていて、これがすごく良かった。プレイ中Macにはまったく手を触れず、チラ見する程度で、選曲もミックスもエフェクトも全て手元のAPC40でやっていて、インターフェースとして完成度高そうだった。どういうアサインをしているのか、Ableton使いでない自分にはさっぱり分からなかったけど、あれは良いなぁ。
終電ギリギリまで居て、ほぼ2時間楽しみました。やはりGalaxyのブッキングは間違いない。あと、エントランスでもバーカウンターでも、スタッフの方がとても感じがいいです。Abe DuqueやDan Curtinなど今後のラインナップも気になるので、願わくば長く続く空間になってくれるといいなと思います。