WIRE12
今年もWIREに行ってきました。2年連続、8回目。もはや何の迷いもなく参加していますが、これって、考えてみればありがたいことで、心身ともにそれなりにコンディションが良く、休みを仕事に押しつぶされることもなく、逆に純粋な趣味に対して投資できる経済的な余裕もあってのこと。もちろん、テクノに特化したこれだけの規模のイベントが、毎年大きなトラブルもなく開催されていることへの感謝も忘れていません。というか、こんなにフェス全盛の時代になるとは、ですね。
20時ちょっと前くらいに会場入り。電気グルーヴが2番手ということで、この時間のメインフロアにしては前例がないくらいの客入り。フロアは、好評だったのか去年とほぼ同様の配置で、1ステージ制、その対面に2Fへと続くギャラリーシート。どのブロックに居ても音がそこそこ良く、一方で、以前のような音圧の感じられるスイートスポットはなくなったように感じます。
大行列だったセカンドの砂原さん、運良く終わりのほうに覗いたら入れました。しばらく、ビール飲んだり友達に会ったりして、卓球さんの時間くらいまではまったり過ごす。そのあと、再びセカンドのFrank Müllerへ。毎年そうだけど、この人のWIREでのプレイはサービス過剰というか、PontapeとかVelvetのFlashみたいな大ネタをバンバン投入してきて、ちょっとだけ胸焼けする(好きだけど)。
メインではイシイさん~Gary Beckという流れ。Garyハードでしたね!けっこう深いところから組み立てていくのかと思いきや、序盤から飛ばしていました。前列右スピーカー前ブロックにいて、かなり気持ちよく踊れました。
とはいえ、すぐに裏でJesper Dahlbäckが始まってしまうのでセカンドへ。ここは、今回一番楽しみにしていたので、80分フルで満喫しました。凄かった!BPMは120ちょっとだと思うんだけど、粘りのあるサブベースと、確実にキックの裏を叩いてくるハイハットで、激重い縦ノリのテクノグルーヴがずっと続いてました。先日、H-Productionsから90年代の作品を集めたリマスター集が出ましたが、それにも通じるようなアナログでファットな質感。Blank LTDの初期作品なんか、いま主流のテクノのハシリのような味わいもあるし、ぜんぜん違和感ないですね。長いブレイクもなく、淡々とビルドアップしていてハマれました。あと3時間くらい聴きたかった。
で、ダールバック終わってギャラリーシートの入口付近で座り込んでいたら、ふと開いたドアの向こうからWorkのSteve Rachmadリミックス(のあの麻薬的なベル音)が聞こえて、思わずフロアへ駆け下りてしまった。Robert Hoodやってくれましたね。30代の客を端から掃討していくような王道ハードミニマルセットで、ここ何年かの鬱憤を晴らせた人は多かったのでは。
ラストのデリックは最初と最後だけ聴いて、あとは友達に会ったりしていました。残念ながら何人かには会えませんでしたが、特に待ち合わせもしてないわりには、お祭りらしく充実していました。楽しかったです。
全体的に今年のWIREのサウンドは、広い意味でテクノ回帰と言ってもいいんじゃないかと思います。数年前からその予兆はあったものの、最近のいくつかのパーティーで感じたことを鑑みても、「戻ってきた」と感じます。それも単なる懐古趣味じゃなくて、この10年を消化したうえでというか。私が初めてWIREに行った03年くらいは、確かに従来のテクノへの閉塞感のようなものがあって、抽象的にしか表現できないんですが、それをちゃんと乗り越えて戻ってきたと感じるのが、なおさら嬉しいですね。
また、来年が楽しみです!
聖剣伝説2 アレンジアルバム
発売前から楽しみにしていた『聖剣伝説2』のアレンジCDが出たので、購入しました。正式には『シークレット オブ マナ ジェネシス 聖剣伝説2 アレンジアルバム』。ゲームの発売から20年を経て発表された、まさかの完全新作サウンドトラックです。
シークレット オブ マナ ジェネシス『聖剣伝説2』アレンジアルバム 菊田裕樹 / SQUARE ENIX
http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/seiken2_somg/
聖剣2は、言わずと知れたスクウェア全盛期のスーパーファミコン用アクションRPGですが、このゲームの音楽作品としては、公式オリジナル・サウンド・ヴァージョンのほかに『シークレット オブ マナ』という当時としてはかなり前衛的なコンセプトのアレンジアルバムが出ており、表題はそれを踏まえたもののようですね。
本作は、アレンジCDとは言いながらも、メロディーも編曲もほとんど改変せず、原作に限りなく忠実、というコンセプトを貫いています。スーファミは低ビットレートのサンプリング音源なので、音色はすべて新しく差し替えているものの、作曲時のMIDIデータを参考に、キックにかかるショートディレイや、スネアにかかるリバーブまで再現するこだわりよう。つまり位置づけ的には、「再録音盤」と「リマスター盤」の中間のような作品ですね。そりゃあ、ファンなら買うでしょう!
作曲者の菊田裕樹さんは、この聖剣2が実質的なスクウェアでのデビュー作。ファンにはよく知られていることですが、彼は非常に多彩かつ異色の経歴の持ち主で、関西大学哲学科を卒業後20代にマンガ家としてデビューし、独学で始めた作曲をもとに29歳でスクウェアに入社しています。伊藤賢治さんの後を継いで聖剣シリーズを担当したのち、ゲームデザイナーとして独立して会社を設立、脚本・総監督を務めたプレイステーション用RPG『クーデルカ』を残しています。
その後はいろいろとあったようで、所属を転々とされつつも(成人向けゲームの音楽をやっていたのは始めは個人的にはショックだったのですが、この時期の作品も一貫して素晴らしいです)、最近はまたTwitterを通して、精力的に作曲活動に関わっておられる様子がうかがえます。そんな中の、20年越しのプロジェクト。
私も、中学生のときにこの作品に出会いました。スーファミを買ってもらったのが遅くて、確か最初がロマサガで、次が聖剣2だったかな?よく覚えているのがオープニングのデモ映像で、通っていた駅前のゲームショップの店頭で、繰り返し繰り返し見ていました。とにかく当時のゲームとしては、衝撃的な美しさだったのです。
菊田さんも、自身のサイトに掲載された2000年の記事において、このオープニングの演出について述懐しています。
特にオープニングは出色。その頃のゲーム制作の現場には、音楽と映像のシンクロ、などと言っても、誰ひとり理解するものは居なかったが、画像のプログラムが出来上がるまで粘り、それに合わせて音楽を作曲し、さらに微調整を加えて、画面に鳥が現れるタイミングと曲の展開を同期させるという、前例のないこだわりを見せることが出来た。昨今の派手な演出から見れば、ただ絵が出るだけの地味なものだが、シンプルな力強さといい、映像と音楽の一体感といい、今もって、これに優るゲームのオープニングは無いと自負している。
Library : 伝説の日々 | Angel's Fear | 菊田裕樹オフィシャルウェブサイト
聖剣2、というか菊田さんの楽曲のオリジナリティには際立ったものがあり、当時発売されていた他のどのゲームミュージックにも似ていませんでした。もちろん、植松さんや伊藤さんによるそれまでのスクウェアの音楽にも。サンプリングされた音色はシンプルかつ透明感があり、それでいて難解なコード進行、高速で上下するベース、複雑を極めるパーカッション。1曲のあいだにも、民族音楽っぽい平坦なフレーズが続くと思えば、突然叙情的なメロディーが差し込まれたり。
サントラにある楽曲のタイトルもまた良いんですよね。上記の公式サイトの記事の後半にある通り、文学や芸術に精通した菊田さんらしい、ユニークな命名がされています。オープニングの「天使の怖れ」、ラスボスバトル曲の「子午線の祀り」。特にオリジナル盤で見られる、終盤の楽曲群の流れるようなタイトルの羅列は、本編のストーリーと完全にシンクロしていて、いつ見ても熱いです。
最近、といってもこのアレンジ盤が発表されるよりもずっと前の話ですが(2010年)、Twitter上の『聖剣伝説2』『聖剣伝説3』についての、ファンに対する菊田さん本人の真摯な質疑応答の内容がまとめられています。楽曲のタイトルの由来であったりとか、制作にまつわる小ネタ、音楽についての考えかたなど。これを読むと、首尾一貫した(単なるBGMではない)ゲーム音楽に対する深い洞察が、明確に作品に反映されていることがよく分かります。
菊田裕樹さんが語る「聖剣伝説2」「聖剣伝説3」の楽曲 - Togetter
http://togetter.com/li/59488
菊田裕樹さんが語る「聖剣伝説2」「聖剣伝説3」の楽曲 Part.2 - Togetter
http://togetter.com/li/59506
先日、アレンジ盤の発売を記念して、ニコニコ生放送で菊田さんを招いての特別番組が放送されたんですが、この中でも上と同様のことを語っておられました。曰く、幅広い音楽ジャンルや文学の断片を含ませることによって、ゲームをプレイするであろう小中学生に対してそれらに触れる「きっかけ」を作る意図があった、フィールド・戦闘・勝利などの場面に応じたプレイヤーの感情への寄り添いかた、最良のゲーム音楽とは聴いていることを忘れさせるようなもの...、などなど。
翻ってこのアレンジ盤、何が素晴らしいかって、やはりオリジナルに忠実な点なんですよ。今どき、アレンジやリメイク、リミックスの類は数あれど、人生において感受性の強いあの時期に、あの音楽が染み付いている一部の人たちにとっては、オリジナルを超えるものはないわけです。たとえ著名な管弦楽団を招いたオーケストラ・アレンジであっても。
その点において、最初に挙げたこの作品のコンセプトは、ほとんど完璧に達成されていました。音色がアップデートされたり、聴感上はほとんど気づかないゴーストノートが加えられたりしたことによって、記憶の中で美化されたイメージそのものの通りに「鳴る」。だから、ゲームのなかの効果音や場面が蘇るばかりでなく、20年前の、つまり小中学生のころの自分が感じていた世界がフィードバックされる。それは、まったく新しいものに出会うような強烈な体験ではないけれども、何故だか揺り動かされる、不思議な感覚です。
それにしてもこれって、サンプリングレートの低い初期のPCM音源のハード世代ならではの見事な企画ですね、多分、ファミコンとかゲームボーイだったらそのハードの音源が至高で、アップデートのしようがないと思います。同じ世代で、原曲に忠実で音色だけアップデートという意味では、PSPでリメイクされた『タクティクスオウガ 運命の輪』のサントラがそれに近いかもしれません。ただ、聖剣2は一度もリメイクされていないので(WiiバーチャルコンソールやiOSへの移植はある)、いずれにしても、このCDの企画は革新的です。
聴こうと思っている人がいれば、ぜひレンタルやデータではなくCDを買って、(ジャケットの装丁も良いのですが)作曲者自身によるライナーを読んでほしいと思います。はっきりとした企画意図が、菊田さんらしい熱のこもったメッセージに集約されていて、グッときました。こういう作品が残せたら素晴らしいだろうな。
ちなみに以下は、95年発売の『聖剣伝説3』のサントラのライナーからの引用です。これも原文は通常のCDのライナーとしては長大な、創作についての力強く説得力のある小論で、何度も繰り返して読みました。
重ねて言うが、僕は君達に、何かを言いたいのではない。僕は君達に美を、あるいはそれはscapeでありvisionでありemotionであり、究極的にはlifeであるはずの輝きを、見せてあげたいのだ。人という個としての存在が、他者に向けて何かを表現しようとする、そのコミュニケーションとしての行為そのものを創作と呼ぶならば、それは基より、人に発したものとして人に帰着するのが筋ではないのか。故に僕は、全ての創作は人に向けて為されるべきものであると考える。創作物は、それが発想され記録され流布される上での様々な制約を乗り越えて、必ず何らかの人間的真実を、その中に保持し続けなくてはならない。決して、魂を持たない空疎な記号の羅列や、借り物のイメージの集積になってしまってはいけないのだ。
―菊田裕樹『聖剣伝説3 オリジナル・サウンド・ヴァージョン』ライナーノーツ(1995)
聖剣2のアレンジがこの出来だと、やはり次は3を期待してしまいますね。
Presence全作品がデジタルリリース
2007年から2010年にかけて、gatearray recordingsからCD媒体として計10作品がリリースされた「Presence」シリーズ収録の全曲が、フミアキさんの手により、本日からレーベルのBandcampページでデジタルリリースと相成りました。CDは、原則的にイベント合わせの作り切りだったため、ほとんどが廃盤となっていたものです。これを機にまた多くの方に聴いていただけたらと。
gatearray recordings
http://gatearrayrecordings.bandcamp.com/
そもそも「Presence」というプロジェクトは、レーベル主宰のフミアキさんを中心に、Atsushi Oharaくん、Ryo Ohnukiくんに私を加えた4名の固定メンバーによる、ハード志向の4つ打ちテクノがメインのCD・パーティー連動企画としてスタートしました。丸3年間にわたって活動し、計7回を数えた同名のパーティーと、上に挙げた10枚のCDリリースを残しました。
2009年、メンバーの大貫くんに不幸がありましたが、彼の残した素晴らしいトラックは今回、すべて無料でダウンロードできることになりました。ライブで誰もが度胆を抜かれた1番収録の"RND#001"を始め、今も力強い光を放つ楽曲がたくさんありますので、ぜひ聴いてみてください。特にDJの方は、きっとフロアの手ごたえを実感できると思います。
大貫くんの作品とそのリミックスを除き、ダウンロードは1曲につき100円、アルバム単位で200円となっており、ファイルフォーマットはmp3もFLACその他も選べます。決済はPayPalなので、アカウントさえ作れば速攻でご購入いただけます。まあ、そこそこの音質でフル試聴できるので、気に入った曲だけでも。
ジャケなんかも含めて、結構懐かしいものもありますね。自分の曲でおすすめなのは、4番の"Spin Clockwise"と8番の"Dub Eating-Beast"かな。
AFTER FREEDOMMUNE +1@eleven
先の金曜日のことですが、FREEDOMMUNE ZEROのアフターパーティーがあるというので行ってきました。場所はelevenで、出演はGONNOさん、DVS1、Heiko Laux。幕張では、とにかくDVS1のDJが素晴らしかったので、ぜひハコで聴きたいと思い。
終電で出かけて、着いたら1時でちょうどHeiko Lauxが始まるところでした。幕張では淡々とミックスしていた印象のHeikoですが、この日は結構ノリノリで、緩急織り交ぜつつ、幅広く奥深い選曲でした。といっても、昔のKanzleramtとかOffshore Funkみたいなキレイ系はほとんどなく、モノトーンなテクノ中心で。
2時間ほどプレイしてDVS1と交代。序盤からゴリゴリのダーク系ハードミニマルで圧倒されました。低域がサブベースで隙間なく埋まって、高いところでは常に16分でハイハットが鳴ってて、ライドが抜き差しされるあの懐かしい感じ。フロアも暗くて、がっつりハマれて最高の環境でした。
DVS1はほんとに、昔ながらのテクニックのあるテクノDJって感じでしたね。EQでキックを抜き差しするんだけど、そのタイミングが敢えてジャストじゃないというか、体に忠実な感覚で。ここで欲しいってところに、ドンって来る感じ。頭で考えてああいうミックスはできなくて、経験に基づく感覚がなせる業というか。
5時過ぎたくらいからディープめのトラックが増えてきて、彼のプロダクションに近い感じの音になっていました。前半がハードだったため、6時過ぎるともう消耗戦で、体力の限界を超えて取りつかれた人だけがフロアに残っていくという。私は6時半で離脱しましたが、結局8時までの5時間セットだったそうで。
いろんな意味で、全盛期のマニアックを彷彿とさせる雰囲気でした。フロアは一体感というより、客がそれぞれバラバラにハマっているから、ブレイクとかじゃない謎のタイミングで奇声が上がったりするんですよね。真っ暗だし。テクノが戻ってきたと実感した一夜でした。
PORTUSに機種変したら不審なライトメールが
昨日から一日に数回、送信元が「0706961000」(Willcomセンターの発信者番号)で、本文が「0022★W+INFO:http://rss1.w-info.jp/rss1/rss.asp?ID=yyyymmddmmss」のライトメールが届くようになって、さすがに気になったのでググったら以下の記事が。
0706961000からLメールが届きます。 | WILLCOMのQ&A【OKWave】
http://okwave.jp/qa/q7643690.html
どうも前機種で(無自覚のうちに)、常駐ガジェット向けにニュースフィードが自動配信される「W+info」という無料サービスを利用しており、かつPORTUSがその機能に対応していないために発生する現象のよう。この機能の設定は、端末のブラウザから行えるらしいのですが、面倒なことにPORTUSにはウェブブラウザが搭載されいていないため、解除/停止するにはサポートに電話する必要があるとのこと。
通常、「W+info」の解除につきましては、設定されたお電話機で解除していただきますが、ブラウザ非対応機種をご利用の場合、お電話機操作での解除はいたしかねます。
つきましては、弊社サービスセンターにて承りたく存じますので、お手数ではございますが、契約者ご本人さまより、下記の番号までご連絡下さいますようお願い申し上げます。
※解除後、72時間はライトメールの配信をお停めすることができかねますので予め、ご了承下さい。
■ウィルコム:データ通信窓口
電話番号 0120-921-157(ウィルコムの電話から157)
受付時間:9:00~20:00(年中無休)
※自動音声ガイダンス途中に【1⇒3⇒2】と押すと、担当窓口に繋がります。
というわけで、いま電話してサービスを停止してもらいました。
PORTUSに機種変してみた
メインのSoftBankの他に契約しているWillcomの端末を、Wi-Fiルータ兼用のSII製「PORTUS WX02S」に変更しました。2年間ほど、京セラのBAUMを通話メインで使ってきて、特に不満はなかったんですが、仕事上、自宅以外で使えるWi-Fi環境の構築が必要かなと思い。
というのも、ウィルコムプラザで見積もりしてもらったら、予想外に安かったんですよね。いま現在、月々の支払いが端末の割賦代金込み、W-VALUE割引もろもろ差し引いて2,100円ほど。これが、8月末まで端末0円なうえにW-VALUE割引(月々の割賦代金から980円引き)適用で、最初の2年間については月々3,200円程度で済むとのことで。プラス1,000円ちょっとの固定費で、外出用のサブ回線が確保できるならお得かなと。
ASCII.jp:PHSとWi-Fiルーターが合体した「PORTUS」が便利すぎる!|このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー
http://ascii.jp/elem/000/000/695/695867/
W-VALUE割引が効くのは2年間のため、3年目以降は980円アップ、しかも定額プランWが3年縛りという難はありますが、そもそも端末代がゼロなのでさほど解約リスクも大きくなく。カバーエリアだけがちょっと気になりますが、基本は都心とその周辺部でしか利用しないので、問題ないかなとは思います。自宅近辺で試してみると、向きによっては若干3Gが弱くなるケースがありますが、自分の場合は実用レベルのようでした。もう少し様子を見てみないと分からないけれど。
さて、暮れにはSoftBankのほうのAndroid端末の割賦代金も払い終わるので、こちらも買い替えを考えたいな。秋冬モデルが出るまでにリサーチを進めようっと。
ドラゴンクエストIX
世の中的には「10」だと思うんですが、3年遅れで「9」です。先月末に3DS LLを買ったタイミングで始めて、ちょこちょこ進めた結果、40時間ほどでクリアしました。
ナンバリングタイトルのドラクエはわりとやってきたものの、あまりクリアまで遊んだ記憶がない...。直近では、DSリメイク版「4」もラスボス手前で力尽きたし。RPGにおいては、好きなわりに根気が続かないっていうか、途中で間が空いちゃうと再開できないんですよね。その意味では、通して遊べたということは、それなりに楽しめたのだと思います。
大きなシナリオは、人間がかかえる「罪」をテーマにしたもの。一つ一つのイベントは、オチもただ解決して一件落着じゃなくて、ひねりが効いたものがあって面白かったです。もっと良い結末があったはずなのに、人間の愚かさゆえにそうなってしまうというか。
ただ、全体の世界観のディテールや、神や天使といったお話における重要なファクターの定義づけがものすごい甘くて、広い意味での「デザイン」に違和感を感じる点もありました。例の妖精のキャラクターも、何らかの必然性があってあれなら良かったんですが。
音楽でいうと、ダーマ神殿で流れるフーガには痺れました。あと、船とか宝の地図の洞窟とか、ちょいちょい旧シリーズの曲が流れるのはずるい。やっぱいい曲多いですね。余談ながら、クリア後のスタッフロールで、QA担当のテストプレイヤー一覧の最後にすぎやま先生が名を連ねているのには驚いてしまった。どうもWikipediaの項目を見る限り、前からそうみたいですね。
クリア時のパーティーは戦士、武闘家、魔法使い、僧侶という基本職のみの手堅いメンツで。途中何度か躓いたものの、都度レベルを上げればちゃんと先に進めるのは、さすがはドラクエです。終盤、はやぶさの剣を入手してからは、戦士スキルのはやぶさ斬りにバイキルトかけるのが鉄板になり、ボス戦は比較的楽でした。それでも僧侶がベホマラー覚えるまでは、きつい場面もあったかも。
ちなみに、一貫して3DS LLを使いましたが、長時間でも操作はしやすかったです。本体の重さも、持ち歩いたわけではないのでさして気にならず。敢えて言えば、持ちかたによっては左手が不意にボリュームスライダーを触ってしまうのが気になるかな。
「10」も評判がいいようなのでいずれ、と思いつつ、Wii U版が出るまでは封印のつもりでいます。
FREEDOMMUNE 0<ZERO>
この前の土曜日、幕張メッセ行ってきました。去年も行くつもりでインビテーション確保していたわけですが、あんなことになってしまい。宇川さんを信じて、ちゃんと机の引き出しにカード取っておいて良かった。楽しいイベントでした。
実は私はこの日、別のイベントで茅ヶ崎にいて、そこから2時間電車に乗って、会場入りは23時過ぎ。わりと終電で帰るつもりのお客さんも多かったらしく、駅からメッセへの道中はすれ違う人のほうが多かったです。ケンイシイさんに間に合うように行きたかったので、予定通りちょい前くらいには着いた感じ。
会場は、ホールをいくつかの区画に仕切って、同じくらいの広さの1,000人規模のDJステージが2つ、ライブステージが1つ。それに会議室大の小バコ風スペースが1つ。あとはトークステージと、映画上映スペース、屋台などなどでした。照明はほとんど落としていて、かなり暗めでいい感じ。サウンドシステムは簡素ながらもパワフルで、あれだけ出ていれば充分!場所によってはすごくハマれたし、逆に離れたところでは、寝転がってまったり聴くこともできた。
イシイさんはいつもの大箱お祭りセットで良かったです。でももっと言うと、イシイさんを60分にして、あとのDVS1、NOBUさん、Heiko Lauxでちゃんと各90分確保した運営の判断が素晴らしいと思いました。というかこの3人がほんと良くてですね。
Heiko Lauxは言うまでもなく、去年のele-kingのインタビュー記事を読んで楽しみにしていたDVS1が期待通りに素晴らしかったです。ざらついた質感と太い音、淡々と裏を打つハット、アナログっぽい上モノと「テクノ」丸出しのサウンドで超ツボでした。適度に上下を繰り返しつつ、後半はハードミニマル地獄に。踊りました。アナログDJで、アクションも大きく、EQの抜き差しも派手だったのがちょっと意外というか、往年の典型的な上手いテクノDJだなぁと思いました。
続くNOBUさんも、その流れを受けて前半はかなりハードで、そのあと多少落としても客をがっちり掴んでいてカッコ良かったです。Heiko Lauxはそれに比べて、わりと淡々と、1曲を長めに繋いでいたかな。トラックもハマり系が多くて、もっと何時間も聴きたかった。あとどうでもいいけど、プレイ中の外見がSurgeonに見えて仕方なかったです。
そのあと、ライブステージでManuel GöttschingのE2-E4ライブを観ました。さすがに朝方にあの音は気持ちよすぎて、ゴロゴロしながら聴いてる人多数、私もほとんど立ったまま寝そうな感じでした。
案外、会場では友人とも会わず単独行動でしたが、アクトも良かったし、フードやドリンクも充実していたので楽しめました。けど、もし次回もやるなら、フリーでなくてもいいかなとは思います。質の良い体験には相応のお金は払うし、全額募金ってのは感覚的にちょっと違うような気がする。入場料から、一定の割合で募金なりなんなりに回されるのは、(送金先団体や手続きが適切なら)やぶさかではないけれども。
ドリンクチケット替わりのバッジがかわいくて、1つ使わずに持って帰ってきました。
今週金曜日に、elevenでアフターパーティーをやるとのこと。DVS1とHeikoをまた聴きたいので、これも行くつもりです。
火星探査機の着陸
昼間、あるツイートがきっかけで、今日がNASAによる火星探査機「キュリオシティ」の着陸予定日だと知る。その後、仕事の合間に公式のライブストリーミング中継を観ることができて、小一時間ほど興奮を共有しました。
火星探査機といえば、思い出すのが私が高校生のころ、同じNASAのマーズ・パスファインダーの成功が話題になったこと。97年の7月だから、当時まだインターネットを始めたばかりでした。28.8kbpsのモデムを介して、火星のカラー画像がじりじりとCRTに表示されたときは、感激したものです。ベタに、しばらく壁紙にしたりなんかして。インターネットで受けた衝撃は数あれど、あの赤茶けた岩だらけの地面の写真は、「未来」を感じさせるに十分なインパクトでした。
あれから15年、今回の計画については正直まったく知らなくて、去年11月の打ち上げのことも、具体的な着陸計画のことも、今日のミッションの直前に調べました。なので、にわかもいいとこですが、とんでもない高難度の計画だったんですね、これ!
NASA自身が、計画の難しさをドキュメント風に説明したビデオ「恐怖の7分間(Seven Minutes of Terror)」です。
マーズ・パスファインダーのときは、探査機の重量が10kgと軽かったため、パラシュートで減速してエアバッグを開けば、ゴムボールの要領で何度かバウンドして着陸できた。ただ今回は、1トンもの超精密な探査機を、壊れないようにそっと下さなければならない。しかも、地球の100分の1とはるかに大気の薄い星の、岩だらけの地面に。
段取りはこう。途中までは同じようにパラシュートで降下し、高度が下がってきたらロケット噴射で減速、さらに、探査機そのものをUFOキャッチャーよろしく宇宙船から4本のケーブルで吊り、ゆっくりと降下。探査機が地面に触れて2秒後に、即座にケーブルを切断してロケットをフル噴射、探査機だけを残してどこか遠くに落下する、というもの。
ここまでがたったの7分間で、このうち一つでも動作しなかったら、ドミノ倒しのごとく、あとの仕掛けがすべて水の泡になってしまう(探査機は原子力電池により、最低でも2年は活動する想定)。まさしく恐怖の7分間というわけ。
着陸計画そのものを、簡潔に1分で解説したPRビデオというのもあって、こちらのほうが概要が分かりやすいかもしれません。
で、これが今日実際に、ウソのように上手いこと実現していったわけですね。降下中、別に火星から動画がリアルタイムに届くわけではないので、管制室では淡々と状況が読み上げられていくだけですが、ひとつ達成するごとに歓声があがり、最後に火星表面のサムネイル画像を受信したときの盛り上がりには、思わず声を上げてしまいました。なんかもう、ドキドキしたし鳥肌立った。
詳しくは、今回の火星探査ミッションにおける宇宙船「マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)」の日本語Wikipediaページ、もしくは下記NASAのジェット推進研究所(JPL)のMSLのサイトで。
Mars Science Laboratory
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/
探査機ローバー「キュリオシティ」のTwitterアカウントなんてのもあるようです。
また、この名前が勇ましい、取ってつけたようなものでなく、シンプルで率直に"Curiosity(好奇心)"というのがいいですね。科学はいつだって、好奇心に導かれて進歩するもの。NASAのブログの今日の記事のタイトルが、"Curiosity Takes Us Back to Mars"ってのも、いいなぁと。
Galaxy 銀河系に行ってきた
神宮前に7月オープンした「Galaxy 銀河系」に行ってきたのでメモ。オープン前から話題にはなっていて、何しろ公式にはクラブではないとはいえ、各地で受難続きのこのご時世に新規開店というのと、"Experiment"と銘打って毎週ブッキングされている外タレDJのラインナップが、絶妙に渋い。オープン初日のGene Huntと、3回目のKirk Degiorgioに行ってきました。
概要はCuepointというウェブマガジンの記事にまとまっているのでチェックしてほしいのですが、あくまで専業のクラブではなく、アート系のイベントスペースという方針のようです。そのためか、今のところ毎週金曜日のみ、終電までの営業で、オールはなし。入場料も比較的手ごろで2,000円から。個人的に何よりうれしいのが「フロア内完全禁煙」という点で、クラブというかバーを備えたDJスペースとしては、かなり画期的な取り組みだと思うんですが。喫煙者に恨みはないけれども、昔から体質的に煙がNGなので、これはもう大賛成ですね。
場所は、渋谷から歩いてもさほど遠くなく、せいぜい10分程度。東口からだと、明治通りの3つめの歩道橋を右に折れてすぐです。入ると、初日はまだがらんとして何もなく、倉庫のような雰囲気。手前がバースペースで奥にフロア、その先にブース。音は残響が激しく、低音の鳴りもビリビリ来るほどではなくて、それこそ手作りのウェアハウスパーティーな感じ。スピーカーはDynacordでした。
Gonnoさんが緩めのテクノから徐々に上げて行って、Gene Hunt登場。この人はわりとシカゴ発のプロダクションよりも、Cari LekebuschのHybridからリリースしていた人として印象に残っていて、最近リマスターが出たカリとの共作"Pain In My Mind"をよく使っています。本人はシカゴ丸出しの出で立ちで、でもなんか気さくにサインに応じたり、良い人オーラ出てました。プレイを始めるなり、既にミキサーが真っ赤なのにつかつかPA卓に寄って行って、勝手にぐいっとレベル上げてるのがアホすぎて笑った。おかげで割れまくりだし高音痛いし、でも一気にシカゴの音になっているのを聴いて、このラフさをひっくるめたカルチャーなんだなと思いました。セット自体は、がつがつしたシカゴというよりは、割とまったりしたオールドスクールなハウスが中心でしたが、楽しかったです。
2週目のゲストはダブテクノの若手アーティスト、ロシアのAnton Mayerでこれには行けず、3週目のKirk Degiorgioで再びGalaxyへ。Kirkは最近Ben Simsと組んでMachineというテクノ・オンリー・パーティーのキュレーターをやっていて、今年は同名のレーベルもスタートしたそう。方向性というか、テクノにおいて指向しているものが最近のBody Informでの自分の考えに近く、どんなプレイなのか興味を持っていました。
ちなみにこれはそのMachineのパーティー告知ムービーなんですが、テクノのエッセンスを詰め込んだ超あがる編集になっているので、ぜひ見てみてください。こんなパーティー行ってみたい!
この日のGalaxyは、がらんとしていた初日とはうって変わって、照明からブース周り、椅子やテーブルに至るまで内装が進化していて、さらに良くなっていました。心なしか音のバランスも良くなったような?Kirk Degiorgioは、フタを開けたら130bpmオーバーのごりごりのハードグルーヴ・セットで踊らされました。硬い、重い、キックの裏が鋭い!少し前にタカアキイトウさんもTwitterで触れていたけど、ミニマルやハウスノリに浸食されていたここ10年くらいのテクノの空白って、一体何だったんだろうっていう。続ける人は続けていたし、戻ってきた人もいっぱいいるんだろうけど、ようやく暗黒時代が終わる。bpmこそ遅くなったものの、これこそがテクノだと思わせてくれる力強いプレイでした。ハマった。
ところで、KirkはMacとAkaiのAPC40を使っていて、これがすごく良かった。プレイ中Macにはまったく手を触れず、チラ見する程度で、選曲もミックスもエフェクトも全て手元のAPC40でやっていて、インターフェースとして完成度高そうだった。どういうアサインをしているのか、Ableton使いでない自分にはさっぱり分からなかったけど、あれは良いなぁ。
終電ギリギリまで居て、ほぼ2時間楽しみました。やはりGalaxyのブッキングは間違いない。あと、エントランスでもバーカウンターでも、スタッフの方がとても感じがいいです。Abe DuqueやDan Curtinなど今後のラインナップも気になるので、願わくば長く続く空間になってくれるといいなと思います。