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バッハの教会カンタータを聴き始めて

クラシック2012-07-01 12:22

20代後半になってからバッハを、というかクラシック音楽を聴くようになった自分にとって、声楽、特に宗教曲は最も馴染みにくいタイプの音楽でした。そもそも学生のころ、ボーカルのある音楽から逃れるようにテクノを聴き始めたという経緯があるのと、過去から現在にいたるまで完全に、宗教(キリスト教)と関わりのある生活をしてこなかったもので。
ただ、鍵盤楽曲を中心とする器楽曲から協奏曲、管弦楽曲と聴いてきて、以前ほどのアレルギーはなくなりました。信仰心はなくても音楽は音楽だし、詞の意味やニュアンスを理解することは重要だと思うけれど、人間の声そのものも楽器の一部とも言えるし。

最初にハマった宗教曲がマニフィカト(BWV243)でした。フィリップ・ピエルロ指揮、リチェルカール・コンソートの録音で、下の映像はCDについてくるDVDからのクリップ(レーベル公式)。

映像の美しさもさることながら、楽曲自体にもまったく違和感なくのめり込んでしまい、そこから、食わず嫌いはやめていろいろ聴いていこうと思いました。
次に心酔したのがミサ曲ロ短調(BWV232)。これは以前の記事(中大混声によるロ短調ミサBWV232)にも経緯を書いた通りです。
そういえばモテットも聴いて、特に有名な「イエス、我が喜びよ(Jesu, meine Freude)BWV227」を好きになりました。これは、ルネ・ヤーコプス指揮ベルリン古楽アカデミーのCDで。

で、教会カンタータなわけですが、作品一覧によるとBWV1からBWV200までざっと200曲くらいある(ちなみに「BWV」はJ.S.バッハの作品を整理するため後世につけられた作品番号で、演奏目的と楽器編成ごとの分野別に分かれている)。一覧だけ見ても、聖書に明るくない自分にとってはタイトルの違いも分からないし、どれから聴いていいのか。
とか考えていたら先月、たまたまYouTubeで「われ悩める人、われをこの死の体より(Ich elender Mensch, wer wird mich erlösen)BWV48」を聴いて、虜になりました。

始めは地味だなと思っていたんですが、まず冒頭の合唱の畳み掛けるような繰り返しにハマり、次に第6曲のテノールのアリアも好きになってしまい。

次に、ミサ曲ロ短調の"Crucifixus"にも転用された12番「泣き、嘆き、憂い、慄き(Weinen, Klagen, Sorgen, Zagen)BWV12」を聴きました。これはまた、短いながらもすごくドラマチックな展開で引きずりこまれる。

教会カンタータ、思っていたほど取っつきにくくないかも!いやむしろ、今なら余計な先入観に捉われずに、どんどん聴いていけるかも。どなたかでお勧めがあれば、ぜひ教えてほしいです。聴いてみます。

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