今年良かった曲(テクノ編)
今年聴いたテクノから良かったものを13曲ほど。曲名リンクは、すべてBeatport内のトラックごとのページに飛びます。ドラムンベース編はこちら。
- Joris Voorn /Incident (Miyagi) [Rejected]
- 11年。一連の震災チャリティーものの中では結局これだったな。3月22日には出てるし、ジャケのアートワークを含めて対応の早さが好印象だった。原曲の良いところを余さず残したセルフリミックスで、完璧な仕事。
- Motorcitysoul /Ushuaia (Deetron Remix) [Simple Records]
- 10年。パッドが超気持ちいい浮遊系テックハウス。Deetronもかなり落ち着いてしまって、賛否ありそうだけれど、これはこれで好きです。
- Anthony Thomas /Carnage [Advanced Records]
- 99年。Ade FentonのAdvancedの初期のやつ。この時期のローファイなハードミニマルを、ちゃんとデジタルリリースしているのはナイス。レベルの小ささを見る限り、リマスターまではしていなさそうだけど。前のめり気味で爆走する2拍ループに、変則的なブレイクが挟まってくる。いくつになってもこういうテクノが好きだ。
- Luke Slater /Body Freefall, Electronic Inform (Slater's Needle Damage Mix) [novamute]
- 00年。この曲については、イベント「Body Inform」のブログにも書きました。いま聴くと10年ひと昔で、1周してきた感はありますね。このシングルは面白くて、テックハウスとかブレイクスとか、いろんなジャンルのリミックスが入っていて、どれも良くできてる。当時聴き逃していたのが悔やまれます。
- Ben Sims /I Wanna Go Back (Featuring Blake Baxter) [Drumcode]
- 11年。テクノのアルバムのベストだと、今年はDrumcodeから出たこの人の"Smoke & Mirrors"です、間違いなく。全曲ハズレなしもすごかったけど、特にこのトラックは、オールドスクールな匂いがして最高だった。ミックスが素晴らしい。他の曲では"The Calling"がツボでした。
- Exium /Fm Breaker [Planet Rhythm]
- 11年。Bas Mooyとのスプリット盤からスペインのExiumのほう。2パターンの覚醒系シンセリフが交互に現れる。往年の大テクノレーベルがミニマル偏重に流れるなか、Planet Rhythmだけはずっとハード・スタイルを貫いてますね。もうたぶん一生ついていきます。
- Devilfish /Jammin' [Bush Records]
- 01年。Beatport上では08年リリースになっているけど、昔のアルバムですね。Devilfishがたまに作る、上モノ少ないこういう硬派なの好き。BPMはだいぶ遅く感じるけど、それでも130だから、今のテクノの標準からだと早いくらいかな。Bushは古いの全部デジタル化してください、お願いします。
- Reedd /The Show (Echoplex Odyssey Remix) [Nitodrum Records]
- 11年。120BPMの、いかにもEchoplexな質感のふわふわ系テックハウス。単調ながらこのクオリティなら延々と聴ける。宇宙的。
- Aufgang /Dulceria [DiscographElectronica]
- 10年。Francesco Tristano率いるAufgangが、流行りのエレクトロハウスに挑戦してみました系。これが意外なほどピアノがハマっていて、過去にこのバンドの曲で感じたちぐはぐさがまったくない。少年期への憧憬を思わせるオフィシャルPVも必見です。子どもが遊んでるだけなんだけど、映像と音が美しすぎて、謎の感動。
- Regis /Blood Witness [Blackest Ever Black]
- 11年。独自の退廃美を貫くDownwards系列のレーベル、Blackest Ever Blackから、Regisのシングル。この曲はライブバージョンもあって、それも買いました。10月にロンドンのBasing Houseであったレーベルナイトでは、RegisやノイズのCut Handsのライブのほか、British Murder Boysの初にして唯一のライブ・セットもあったそうで、なんというか、うらやましいです。
- Caccao /Bulgarism (Satoshi Imano Remix) [Soundwaves]
- 11年。今野サトシさんの素晴らしいリミックスワーク。原曲は、いわゆるブルガリアン・ヴォイスをサンプリングしたプログレッシブハウスで、試聴の限りではさして特徴のない曲なんだけど、これがこうなりますかという。ピッチベンドのかかった、不安定なギラギラしたシンセリフが脳にビリビリきます。これはやばい。
- Homma Honganji /Wild Again [Take More Music Records]
- 11年。今年、嵐のようにリリースラッシュだった本間本願寺さんの曲から。古き良きトライバルテクノの血がたぎる、熱いツールトラック。この曲とかは、世が世ならIntecあたりから出て、世界を席巻していたと思います、本気で。
- Homma Honganji /General Winter [Soundwaves]
- 11年。もう1曲本間さんの曲から選ぶなら、"Hirugano"も捨てがたいけれど、最近リリースされたこれですね。ミックスのバランスも完璧で、上昇するシンセパッドと同時にフィルター展開で弾けるブレイクが最高に気持ちいい。この冬のアンセムはこれでしょう。