TRAKTOR勉強会とPCDJ
昨夜、茶箱でのイベント「TRAKTOR Share Meeting」に観客として参加してきました。Native InstrumentsのDJ用ソフト「TRAKTOR」のユーザーによる、自主的な公開勉強会。主宰はDJのmarixさんで、プレゼンテーターにMaltineのtomadさん、watさん、フミアキさん、Sangoさんというラインナップ。アナログでのDJ歴も長い方が多く、それだけに、独自のカスタムにもこだわりが見受けられて、とても参考になりました。
詳しい内容は、当日の録画がそのまま公開されているので、こちらを。
Ustream.tv: ユーザー sbc_radio: traktor_meeting1, talk. エレクトロニック
http://www.ustream.tv/recorded/19024715
Ustream.tv: ユーザー sbc_radio: Traktor_meeting2, talk. エレクトロニック
http://www.ustream.tv/recorded/19026426
ともかくも、家に帰るなりTRAKTORの実売価格をリサーチし始めてしまう程度には感化されました。単体で買うよりも、今やっているオーディオI/F(TRAKTOR AUDIO 6か10)を買えばPRO 2がついてくるキャンペーンはお得でいいですね。
いまの自分のシステムはほぼCDJオンリーで、たまにアナログを使ったりもしていますが、その昔、Ableton Liveを使ってPCDJをしていた時期もありました。2005~06年くらいの話。当時はネタものを多く使った、半ばライブセットに近い構成をイメージしていたので、本格的にPCに移行するつもりはなくて、「bitcore」というパーティーが一区切りついた時点でやめました。
当時に比べるとかなり環境も揃ってきて、というか、テクノにおいてはTRAKTORがデファクトスタンダードとなり、昨日のようにノウハウが共有できる機会も増えてきたので、正直いつ乗り換えてもいいと思っています。曲もデータで買っているんだし。
ただ、機動性やリスクマネジメントの点で、個人的にはまだCDJに一日の長があると思っていて、それこそPCDJならではの画期的なDJ用コントローラでも出てくるのを待っている状況です。フミアキさんがプレゼンしていたNIのX1や、MASCHINEコントローラには、かなり惹かれます。
私はアナログ集めもターンテーブルでのDJも大好きだけれど、テクノやっている以上、テクノロジーへの興味は常にあります。機械にできることは機械に、というのは、テクノの原則のひとつだと思っていて、例えばピッチ合わせなんかが予めグリッドを打つことで省けるなら、それに越したことはないですね。人間はその分、選曲や細かいEQ調整などの、ミックスそれ自体に集中したほうがいいと思います。
ただ、現場におけるPCDJで最近よく考えるのが、DJとフロアを隔てているノートPCの液晶画面のこと。あれは言ってみれば数ミリの「カベ」であって、フロア側から見ると、アナログやCDJにはない、大きな障壁に感じます。そしてこのカベのために、多くの場合、きちんとDJがフロアを見ていなくて、独りよがりなセットになりがちな気がします。
画面を見るのなんて、選曲するときだけでいいのであって、横か後ろに置いておけばいいんですよね。それか液晶を倒してしまうか。「秋葉原重工」のときに、watさんが斜め横にPCを置いていて、画面はチラ見するくらいでミックスに集中していたのを見て、ものすごく感心しました。
あと、ホーチミンのクラブに行ったときに、でかい液晶がブースで横倒しになっていて、それを使ってPCDJをしていたのを見たときは、なるほどと思いました。
いずれにしても、ソフトもハードもまだまだ過渡期であることは間違いないので、ツールの進化や、ユーザーサイドの試行錯誤が楽しみです。それに、PacemakerやWACOMのやつのように、スタンドアロンのDJマシンもかなり興味ありますね。