ubik feat. Francesco Tristano
先日Hakuju Hallでのコンサートで知った、フランチェスコ・トリスターノ初公開のクラブ・セットでのライブを聴きに、仕事終わりでUNIT行ってきた。UNITが久しぶりすぎて(前々回のSurgeon来日以来)、渋谷からの道中、普通に道に迷ったりしつつもなんとか0時過ぎには到着。メインフロアではInner Scienceが重暗いテクノでじわじわ上げていて、1時前にはだいぶハードになってきていた。
で、ピアニストのトリスターノが「クラブ・セット」と称して何をするのかと思ったら、DJブース対面のステージにグランドピアノが置いてあって、案の定すぎて笑った。まさかハコ常設の機材じゃないよね…。あの地下まで、狭い階段でどうやって運んだんだろう?
ステージ奥のシンセ(型まで見えなかった)で鋸波の分厚いパッドを弾いたり、ピアノを叩いたりしながら、ゆったりしたスタート。グランドピアノの上に置いたMacBookで、おそらくLiveかなにかでシンセベースのアルペジオを走らせて、徐々に4つ打ちキックが入ってくる。本人は、終始中腰でPCとピアノをいじりつつ、たまに内部奏法でノイズを出したのを、ノートの隣に置いたエフェクターで深いディレイをかけてダブっぽくしたりして、展開を作っていた。
後半、ループを止めてソロでStrings Of Lifeを弾いたところが一番盛り上がった。ノンビートのピアノソロでみんな踊ってるって、すごい異様な光景だよ。そのあと、またパーカッシブなトラックが始まって、そのままアンコールの1曲までいいテンションで引っ張って、1時間のライブが終わった。
そこには、ほんの何日か前、バッハのフランス組曲を弾いてうやうやしく聴衆に礼をした若手ピアニストのイメージはなかった。立ち上がったまま、途中でTシャツになって機材に向かう姿は、DJそのもの!そう思うと、やけにノリノリでミニマルな自作曲を弾いていた先日の様子も、すごく合点がいった。これがやりたかったんだな、っていう。
ただ、ライブパフォーマンスとしてはまだまだ煮詰まってないというか、当たり前だけど、PCとエフェクターとピアノとシンセを、1人で同時に操作するのは無理なわけで。どれも、細切れのフレーズを差し込むくらいに留まっていて、流れが途切れがちになってしまっていたのは残念。
あと、アンプを通したピアノの音がひどくて、ちょっとアタックが強いと割れてしまうのが気になった。このあたりのセッティングは、ものすごくシビアなのだろうけど(爆音で、かつピアノの繊細な音も拾わなければいけない)、この人のライブだからこそ追い込んでほしかったところはある。
2時からのフミヤさんのDJもすごく良くて、4時まではけっこうがっつり踊ってたんだけど、さすがに猛烈に疲れて途中で離脱。渋谷の南口で朝マックして帰った。
期待通り、とても面白いものが聴けて満足!次の来日では何やるのかなぁ。
特集:【特別企画】テクノとピアノ
フランチェスコ・トリスターノ・シュリメの正体 - CDJournal.com CDJ PUSH
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